「ビブリア古書堂の事件手帖4」

 午後、知人たちが演奏などで参加している、大西小夜子( Sayoko Onishi You Tubeに画像)という方のダンス・パフォーマンスを長泉町文化施設ベルフォーレで観る。前半は土方巽暗黒舞踏の流れを連想、後半は近松門左衛門月岡芳年ケレン味を感じた一時間。帰りにブックオフ長泉店へ寄る。矢作俊彦ロング・グッドバイ THE WRONG GOODBYE 』角川書店が外国文学の棚に。ま、間違えてもしょうがない。手ぶら。

 贈呈用の古本の山の上にある高城高(こうじょう・こう)の創元推理文庫全集本を手にし、思い立って天井まである手作りの本棚の上から二番目の棚にある高城高の、書皮でおおわれた創元推理文庫版全集四冊を眺めたら、隣にもう一冊同じ書皮でおおわれた文庫本がある。記憶にない……。椅子を持ってきて抜く。青木正美『古本屋群雄伝』ちくま文庫2008年初版だった。大事にしすぎてすっかり忘れていた。背文字が隠れているといかんなあ。岡崎武志氏がブログで紹介していた。

《 青木さんはこれまでたくさん古書関係の本を出しておられるが、おそらくこれが最高傑作ではないか。つげ義春にマンガ化してほしい。 》

 『芸術新潮』は「つげ義春」特集。四十年余り前、青林堂でガロ増刊号『つげ義春特集2』の表紙原画を長井勝一氏から見せてもらった。

 三上延ビブリア古書堂の事件手帖4』2013年初版を読んだ。今回は江戸川乱歩の本に関わる出来事。

《 「乱歩の初版本の中で、『江川蘭子』が一番高価なんです」 》 101頁

  「美本でしたら、百万円以上は……」 》 102頁

 古書は安いなあ。絵画などの美術品ならそれにゼロが一つ加わってもなんら不思議でない。そう考えると古書蒐集は安上がりの趣味といえる。

《 「ええ。昭和三十年代、光文社版の『少年探偵 江戸川乱歩全集』の単行本には、一冊に一枚ずつ引換券がついていました。三枚集めて送ると、BDバッジが一つもらえたんです」 》 133頁

 私の記憶では、月刊雑誌に付いていた引換券三枚でBDバッジを手に入れた。なぜなら、乱歩の単行本を私は読んだ記憶がないから。引換券一枚が手元に残っていて、それは弥生美術館に寄贈した。BDバッジは四十年ほど前、冥草舎という個人出版社を営んでいた知人に贈った。喜んでブレザーの襟に付けていた。

 今も見たいと眼に焼きついている映画は、『少年探偵団 かぶと虫の妖奇』1957年だ。

《 やがて数条のライトにくっきりと巨大なかぶと虫に似たロボットが姿を現わしたからだ。 》

 かぶと虫ロボットに仰天、夢中になった。この一場面だけが子ども心に強烈に刻まれた。長年ずっと気になっていたが、先年弥生美術館で催された江戸川乱歩と少年探偵団の展覧会の展示写真で、その題名がやっと判明した。そのお礼をこめて、展示物にはなかった引換券を寄贈した。
 http://eiga.com/movie/72558/

 ネットの見聞。

《 「わが国は他国の事を気にしすぎだ」という意見が多いようですが、「他国の事を全く気にせずに政策決定している国」など世界にはありません。お間違いなく。 》 KAN KIMURA

《 靖国参拝の日の夜、首相は新聞社の政治部長らと会食・・・・何を話したのか、同席した奴は言えよ。これを異常だとは思わないのかね、新聞社の方々は。これは流石にありえんだろ。当日だぞ、当日。 》 フジヤマ ガイチ

《 米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の移設に向けた同県の埋め立て承認に関し、27日に予定していた小野寺五典防衛相とヘーゲル国防長官の電話協議も延期されるなど、首相参拝の影響はさらに深刻化している。 》 毎日新聞
 http://mainichi.jp/select/news/20131228k0000m010095000c.html

《 今どき、安倍首相がやるって言ったからそれが「最高の担保」だなんて、地位協定治外法権性を抜きにしても、誰が納得するんだろうか。冗談にもならないよなぁ。 》 布施裕仁

《 7割の企業が赤字の状態で、法人税減税して、消費税で税収確保って、いったいどこ向いて政策つくってる。 》 平川克美

《 企業が収益を上げたら、賃金が上がる?そんなことあるわけないのにこのトリックに引っかかる。企業収益に関わらず、労働市場の需給バランスで賃金は決まる。一方で非正規化を進めているのだから、なおさら賃金は上がらない。グローバル化なら同一労働最低賃金の圧力がかかる。 》 平川克美

 ネットの拾いもの。

《 信じる者は(足元を)すくわれる。儲けると言う字はねえ、信者って書くんですよ! 》