「日本孤立」

 富士山の雪がずいぶん減った。風に飛ばされたのだろう。ブックオフ函南店へ自転車で行く。文庫本を五冊。遠藤周作『哀歌』講談社文芸文庫1999年11刷、加藤周一『言葉と戦車を見すえて』ちくま学芸文庫2009年初版帯付、関川夏央谷口ジロー『かの蒼空に』双葉文庫2009年3刷、久生十蘭『平賀源内捕物帳』朝日文芸文庫1996年2刷、ヴィットリーニシチリアでの会話』岩波文庫2005年初版、計、ニ割引、420円。帰りがけに知人の洋装店へ新年のご挨拶。メナード化粧品のカレンダーをいただく。モデルは岩下志麻、松阪慶子そして深田恭子フカキョンだけでいい。

 題名に惹かれて一昨日買った船橋洋一『日本孤立』岩波書店2007年初版、「日本孤立」の章を開くと2007年4月26日「訪米のため出発する安倍首相」の写真。

《 ところで、ワシントンの知日派たちの「違和感」は、日本の外交問題が、拉致問題慰安婦問題に収斂しているように映っている点にあっただろう。 》 251頁

《 北朝鮮との「正常化」を目指した小泉外交が「拉致」と「靖国神社参拝」によって足元をすくわれた時、そのジレンマはすでに明らかだった。小泉首相自身は、それらは「内政」にかかわることであり、外交とは切り離して処理できると思っていたかもしれない。ただ、内政と外交をそのように切り分けることはできない。 》(2007年3月)251頁

《 小泉首相靖国参拝によって、中韓両国から拒絶された日本は、米国一辺倒へと向った。 》(2007年3月)251頁

 その米国からも「失望した」と言われた安倍首相の靖国参拝

《 米国では、政府、議会、メディア、シンクタンク、アカデミック、ビジネス、どこも、日本は片手間の仕事になりつつあるかに見える。 》(2005年7月)275頁

《 日本の米国に対する知的怠慢のつけがいよいよ回ってきたようだ。日本にはまともな米国研究所ひとつない。独立した外交シンクタンクもない。パッソングされるはずである。 》(2005年7月)279頁

 2005年7月には問題が提起されていた。しかし、誰一人なんとかしようとはしなかった。日本に説得力のあるしたたかな外交ができる見識ある政治家、外交官は、果たしているのだろうか。情けない気分。国外へはまるで届かない、国内一部支持者向けの独りよがりの首相の弁舌。外交無能だと嘲ってはいられないわ。

《 日本の歴史問題の克服は、自らの手によって果断に進めるべきである。さもなくば、またまた「ガイアツ」によって収拾させられる危険がある。その場合は、中韓米によるガイアツとなるだろう。それは、将来、日本国内に反動をもたらし、禍根を残す。 》(2005年12月)300頁

《 このままでいいはずがない! 》 帯文

 文遊社からデイヴィッド・リンゼイアルクトゥールスへの旅』改訂新版が近く出る。
 http://www.bunyu-sha.jp/books/detail_arcturus.html
 旧版となる1980年に出たサンリオSF文庫で読んでいる。その裏表紙の紹介文が印象に残っている。ショーペンハウェル、ニーチェキルケゴールを経て。

《 つまり充実した無へと散開していく遍歴を物質的想像力で描いてクービンの『対極』やドストエフスキーの『悪霊』にも匹敵する華麗な観念小説(スペキュラティブ・フィクション)となって実現したものである。 》

  『対極』も『悪霊』も『アルクトゥールスへの旅』も再読したくなった。サンリオSF文庫は580円だったが、文遊社は3,300円+税。

 ネットの拾いもの。

《 「円谷プロ50周年記念 ウルトライヴェント 先着100名様限定 バルタン星人とジャンケン大会」
  とりあえずグーを出せばバルタン星人には勝てそうだ。 》

 行きたかった。引き出しには「ウルトラマン vs. バルタン星人」の未使用オレンジカード