「煉獄篇」

 未明からの雨は暖かい雨で昼には止むという予報は大きく外れた。降る雨に動きが鈍る。低調な気分。なんか悪い予感……が当たる。トイレの床が水だらけ。あれまあ。水槽内の浮き玉の動きが悪い。おいおい、連動するな。まあ、水が少し溢れただけでよかった。

 ダンテ『神曲』の「煉獄篇」を読了。

《  ああ地獄の口に比べここ煉獄の口はなんという
    違いだろう! 地獄へは恐ろしい叫喚とともにはいったが、
    ここでは歌声とともにはいるのだ。  》 第十二歌

 地獄へ堕ちた者たちは罪が消えないが、煉獄では悔改めれば罪が消える。そして昇天できる。それにしても、歴史に名を残した有名人=罪人のなんと多いことか。罪人事典だ。

《   愚者には、勝手な事をしゃべらせておくがいい。
   世間の人は真相よりも評判に目を向ける、
    それだから技法とか道理とかに耳をかす前に
    世評はもう定まってしまう。  》 第二十六歌

 七百年前も今も変わらないわ。ダンテは十年前に二十五歳で亡くなった恋人ベアトリーチェに再会する。

《  「さあ、これは事実ですか、返事をしなさい、
   こう責められた以上、懺悔をしなければなりません」  》 第三十一歌

《  私もそのように立ったままだった。すると夫人がいった。
   「耳がいたいなら、その髯をあげて
   こちらをしっかりと見、もっと後悔しなさい」  》 第三十一歌

 ベアトリーチェから浮気を責められるダンテ。昔も今も……。それにしても暗喩が多くて注釈がないとわからん。

 ネットの拾いもの。

《 女子力や人間力と同じような感じの何かで「等々力」という概念があってだな 》