「銀界」

 昨日引用した高山宏の文は、安西信一『イギリス風景式庭園の美学−「開かれた庭」のパラドックス東京大学出版会への評から。
 http://booklog.kinokuniya.co.jp/takayama/archives/2007/10/post_29.html#.UvhyVYSgxGI.twitter

 朝刊にその安西信一の訃報。享年53。並んで尺八奏者山本邦山の訃報。享年76。彼のジャズLP『銀界 SILVER WORLD 』1970年録音を聴く。菊地雅章(ピアノ)、ゲイリー・ピーコック(ベース)、村上寛(ドラムス)からなるカルテット。ジャケトは雪の竜安寺石庭。A面「序」「銀界」「竜安寺の石庭」、B面「驟雨」「沢之瀬」「終」。傑作だ。本多俊夫の解説から。

《 そして、これは、ジャズであり、それも、これ迄に類のない、山本、菊地、ピーコック、村上のジャズなのである。しかも難解な所は少しもなく、演奏開始と同時に、美しい尺八ジャズの世界へ誘い込んでくれる。 》
 http://www.youtube.com/watch?v=AscafpuwcIQ

 箱根は残雪。

 ブックオフ長泉店で文庫本を十冊。色川武大狂人日記講談社文芸文庫2007年4刷、小沢健志・編『写真 日露戦争』ちくば学芸文庫2010年初版、小林信彦『和菓子屋の息子』新潮文庫2009年初版帯付、種田山頭火山頭火随筆集』講談社文芸文庫2008年10刷、半藤一利『昭和史探索・2』ちくま文庫2007年初版帯付、ヴァレリー『テスト氏』福武文庫1990年初版、『ブッダのことば』岩波文庫1995年27刷、『ブッダ最後の旅』岩波文庫1995年24刷、文藝春秋・編『アンソロジー 人間の情景3 愛の迷宮』文春文庫1992年初版、一冊80円、計800円也。

 ネットのうなずき。

《 明治天皇の玄孫とやらの大学講師の妄言の数々と、今上の発言を比較すると、人格とは血筋で決せられるものではなく、環境が作るのだ、ということを痛感しますな。 》 松井計

 ネットの見聞。

《 原発は巨大な利権なので政財界にそれに群がる連中がたくさんいるから「原発推進」なのであって再生エネルギーが巨大な利権になれば誰も原発に見向きもしなくなるんだろうな。国のエネルギー云々は単なるお題目。 》

《 エコノミストたちはこの数年、長く待ち望まれる景気回復の形を表すために、アルファベットを使い尽くしてきた。V字型、U字型、W字型…。しかし今、より 深刻な不安が広がりつつある。L字型への懸念である。(カウシック・バス/世界銀行・上級副総裁 1月24日朝日新聞) 》

《 ちなみに90年代以降は、「対象を巧みに描ける」技術を現代美術に積極的に取り込む傾向が、福田美蘭会田誠などをはじめとして藝大系の作家たちから出てきた。これも、「前衛」が終わって過去のあらゆるものが呼び出されている例というだけでなく、受験期に身につけたやたら高度な描写技術を持て余して(この「お宝」を眠らせとくのはもったいない)のこともあるのではないかと思う。 》 大野左記子
 http://d.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20140210/p1

 ネットの拾いもの。

《 「芸術は短く、貧乏は長し」  直木三十五の碑文の言葉 》

《 芸術であるかどうかとか、そんなものはどうでもよろしい。 》