「言葉が身体と化す」

 晴天。富士山は雪煙。夕刊と朝刊が朝遅く来た。温かい陽射し。近所のスーパーのパンの棚はガラガラ。山梨県(他の地区も)、非常事態だ。

《 精進湖周辺で孤立しているホテル3カ所には食料、毛布をヘリで輸送している。 》
 http://www.sannichi.co.jp/local/news/2014/02/16/2.html

 風が強くブックオフ長泉店止まり(こんな日でも出かけるのかあ)。寮美千子『星兎』パロル舎1999年初版帯付、加藤周一『日本文学史序説 上』ちくま学芸文庫2009年8刷帯付、山田肇・編『鏑木清方随筆集』岩波文庫1989年5刷、山田風太郎『忍者 枯葉塔九郎』講談社大衆文学館文庫1997年初版、渡邊二郎『はじめて学ぶ哲学』ちくま学芸文庫2005年初版、エリノア・ファージョン『町かどのジム』福武文庫1990年初版帯付、計630円。それからCDを一枚。リー・モーガン Lee Morgan 『ザ・サイドワインダー THE SIDEWINDER 』665円。

 『ザ・サイドワインダー』1963年録音を早速聴く。うーん、グルーヴィ〜〜。アフリカの黒人の大衆音楽が漆黒に光る弾丸とすれば、アメリカの黒人ジャズは漆黒の深淵を垣間見せる。アフリカ=突進する姿勢、アメリカ=俯き仁王立ち。1955年頃から1965年頃の黒人ジャズからは、深く屈折した黒い輝きを心の奥底に感じる。それの由来はつまびらかではないが。自覚し得ない識閾下に共鳴共振してくる何か。真昼間、全四十分を二度聴いてしまう。

 昨日の山田広昭「ことばと欲望」の結び。

《 無意識は、このようにして絶えず主体を裏切りながら、その痕跡を残していくのです。 》

 その補注。

《 おわかりのように、本稿では無意識がそれ自体としてどのようなものであるかについての議論は省かれています。とても一筋縄ではいかないからです。無意識の屋台骨をなす表象とファンタスムの「論理」に関しては、石光泰夫「言葉が身体と化す」(『知の論理』[東京大学出版会、1995年]所収)を参照してください。 》

 石光泰夫「言葉が身体と化す」を読んだ。

《 ファンタスム、すなわちある特定の思い込みの体系 》

《 ファンタスムという、論理ではとらえられない無意識の表象作用、フロイト精神分析学という学問の名において発見したものがこれでした.ファンタスムとは、それにとらえられている人にとっては、言葉に還元できない、つまり身体のすべてを挙げて何度も体験しなおさねばならない、徹頭徹尾身体的な欲望なのです。 》

《 したがってフロイトのテクストが仔細にみれば、(引用者:略)ファンタスムに積極的にとらえられようとする現代芸術の身体をずばり言いあてていると感嘆させられる箇所にあちこちでぶつかるのも当たり前のことなのです。 》

 ファンタスムという用語は知らなかった。これは面白い。ジャズに援用する誘惑。

 ネットの見聞。

《 「歴史は万華鏡のごときもので、ほんの少しでも向きをかえると新しい形象を見せるが、われわれはもともと同じものを見ているのだ」ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』続編1。 》

《 同盟国に対して「失望した」と言うことの恐ろしさを知ってほしい。外交の世界で同盟国にこんなにはっきり言うのは異例です。(東郷和彦/元外交官/京都産業大学教授) 》

《 初公判で報じられたこと、報じられなかったことーPC遠隔操作事件 》
《 メディアは片山氏の逮捕当初、4人の誤認逮捕の検証報告を出したばかりの警察がまさかの「5人目」はないだろう、今回はしっかり証拠を固めて逮捕しているはずだと見込んで、大々的に報じた。だが、GoHooの報道検証によって、防犯カメラ映像の件だけでなく、片山氏の携帯電話(スマートフォン)から犯人が撮った江の島の猫の写真が復元されたとの報道や、アメリカのサーバーに残された遠隔操作ウイルスに作成場所を示す痕跡が見つかったとの報道など「3大誤報」が判明。公判前整理手続中のメディアは実に寡黙であった。 》
 http://bylines.news.yahoo.co.jp/yanaihitofumi/20140215-00032554/

《 映画『受難』の主役、岩佐真悠子。原作者の姫野によると、劇中で連発される女性器の名称を言える女優がおらず、映画化までに11年の年月がかかったという。 》
 http://www.cinematoday.jp/page/N0058145