「影なき女」

 昨日ふれた高木彬光『影なき女』角川文庫1979年5刷収録「影なき女」(1950年発表)を読んだ。五十頁ほどに三つの密室殺人という早い展開。そのまま劇画にできそう。シベリア抑留が背景になっている。

 昨日芦辺拓が挙げていた探偵の出る作品を一篇列挙してみた。

  法水麟太郎 : 小栗虫太郎黒死館殺人事件
  帆村荘六  : 海野十三『蠅男』
  藤枝真太郎 : 浜尾四郎『博士邸の怪事件』
  青山喬介  : 大阪圭吉『とむらい機関車』
  仙波阿古十郎 : 久生十蘭『顎十郎捕物帳』
  加賀美敬介 : 角田喜久雄『高木家の惨』
  津田皓三  : 島田一男『古墳殺人事件』
  伊勢崎九太夫坂口安吾『心霊殺人事件』
  三原検事&満城警部補 : 宮原龍雄『ニッポン・海鷹(シー・ホーク)』
  古田三吉  : 坪田宏『二つの遺書』
  秋水魚太郎 : 岡村雄輔『ミデアンの井戸の七人の娘』
  園田郁雄  : 水上幻一郎『青髭の密室』
  伝法義太郎 : 島久平『硝子の家』
  東英介   : 久米元一『悪魔の紋章』
  佐久良竜太郎 : 南洋一郎『洞窟の魔人』
  田名網警部 : 楠田匡介『模型人形殺人事件(冷たい眼)』
  菊地警部  : 藤雪夫、藤桂子『獅子座』
  鬼貫警部  : 鮎川哲也『黒いトランク』
  星影龍三  : 鮎川哲也『赤い密室』

 手元にない作品は南洋一郎『洞窟の魔人』、楠田匡介『模型人形殺人事件』そして久米元一『悪魔の紋章』の三作品。読んでいるのは小栗虫太郎、大阪圭吉、島田一男そして鮎川哲也。愉しみが増えた。しかし、発掘する手間を思うと。

 ブックオフ三島徳倉店へ自転車で行く。そいうえば雨の日に傘を指して歩いていったこともあった。歩いていくなんて今じゃ考えられん。高野和明『ジェノサイド』角川書店2011年9刷、ジャック・リッチー『ダイアルAを回せ』河出書房新社2007年初版帯付、西澤保彦『腕貫探偵 残業中』実業之日本社文庫2013年7刷、矢崎存美『ぶたぶた洋菓子店』光文社文庫2013年初版、計420円。

 ネットの見聞。

 『ハヤカワ・ミステリ・マガジン』の特集は「乙女ミステリのススメ」。小泉喜美子「またたかない星(スター)」が再録されている。『またたかない星(スター)』集英社文庫コバルトシリーズ1979年初版。再録するほどかな?とちょっと思った。表紙は鶴田一郎。最近の画風とはえらく違う。
 http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/711404.html
 http://blogs.yahoo.co.jp/kms130/64632916.html

《 自分の好みだけで言うなら。乙女ミステリのベスト・オブ・ベストはウェブスターの「あしながおじさん」。 》 大矢博子

 これも本は持っているけど読んでない。