「腕貫探偵」

 一昨日昨日と、心身がやや変調をきたしていた。高木彬光『影なき女』角川文庫も、トリックがよくわからぬままだったけど、きょう再読してよくわかった。昨日の矢崎存美『ぶたぶた洋菓子店』光文社文庫も、付箋を貼ってあるのに見逃していた。(生きているぬいぐるみの)山崎ぶたぶたさんと高校生の融(とおる)の会話。

《 「あ、これ……俺も好きです。日本産の紅茶ですよね?」
   融が香りをかいでそう言う。さすが。
  「わかるの? すごいね」
   ぬいぐるみの驚く表情がわかる。黒い点目なのに。
  「わ、わかります。俺も好きです。母親の実家がお茶問屋ですし」
   融がつっかえながら言う。目がぬいぐるみに釘付けだ。 》

 友だちの飼っているセキセイインコ、まさしく「黒い点目」。だけれど「驚く表情がわかる」。ホント、おもしろい。ちっちゃな小鳥の目にもちゃんと表情がある。笑っちゃうくらいおもしろい。はたで見ていて飽きない。You Tube にはいろいろ画像があるけど、よく動きよくしゃべる、まさしくそのまんま。彼女が小鳥店で弱っぴい雛を買って二年になるけど、彼女にべったり。これはハマル。こんなことを書くのを忘れていた昨日。

 雨の一日。軽めの本を、と積読本から西澤保彦『腕貫探偵』実業之日本社文庫2012年2刷を抜き、読んだ。表題作を含む七篇。これは面白い。といっても、ワハハッと大笑するのでもクスッと笑うのでもない。そういうものもあるが、ふう〜ん、やられたあと胸に収まる落ち。謎解きのツイスト(ひねり)の利いた人生のおかしみ。これはいい。堪能。

 相談者の悩みの所以を櫃洗市一般苦情係(腕貫探偵)の快刀乱麻を断つ冴えた一言で、謎の事案は急転直下に解明される。数頁は腕貫探偵と相談者の説明で費やされる。腕貫探偵の説明は毎回ほぼ同じ、というよりコピー・アンド・ペーストで間に合わせている。

《  市民サ−ヴィス課臨時出張所
   櫃洗(ひつあらい)市のみなさまへ
   日頃のご意見、ご要望、なんでもお聞かせください
   個人的なお悩みもお気軽にどうぞ
                               櫃洗市一般苦情係   》

 豪腕というか図々しいというか。ま、面白いからいいけど。泡坂妻夫の「亜愛一郎」シリーズを連想。亜愛一郎を俳優に例えるなら福山雅治か。ズッコケぶりを見たいねえ。では櫃洗市一般苦情係(腕貫探偵)は誰に? 渋い脇役だ。誰でもいいや。「亜愛一郎」シリーズに輪をかけて珍しい名前の登場人物たち。苗字だけを列挙。

《  蘇甲(そかわ)、筑摩地(つくま)、門叶(とかない)、練生川(ねりかわ)、兎毛成(ともなり)、螺良(にしら)、檀田(まゆみた)、秋賀(あわか)……  》

 打ち間違いじゃないかと恐れるわ。

 渋谷区神宮前、レフェクトワールのサンドウィッチ「空想サンドウィッチュリー」、食べてみたい。

《 「人参失格」 「作ランボー詩集」 「青い鶏」 「吾輩は鰹である」 「蝦と蟹工船」 「ハム・レット」 》

 ネットの見聞。

《 ビットコインの衝撃 〜急拡大する新たな決済市場、関連ビジネスの可能性と課題〜
  開催日時 2014年2月27日(木)午後2時〜午後4時30分
  受講料 1名につき 31,500円(税込)
  同一団体より複数ご参加の場合、2人目以降 26,250円(税込)
  (株)野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部 上級コンサルタント田中大輔
  (株)野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部 上級コンサルタント上田恵陶奈 氏  》

 どんなだったんだろう。

 ネットの拾いもの。

《 憧れの年収300万 》

《 離婚は妻が私にくれた最高の贈り物だ。 》