「発酵人間」

 栗田信『発酵人間』戎光祥出版2014年初版帯付が届く。「醗酵人間」「改造人間」「台風圏の男」そして四短編を収録。その宣伝文。

《 「戦後最大の怪作SFの噂。酒を飲んで発酵する謎の怪人。あまりのバカバカしさは、むしろ感動を呼ぶ」と評され、「BOOKMAN」誌の「SF珍本ベストテン」第6位を獲得した『醗酵人間』(1958年刊)。そして、なぜか「醗酵人間」に対抗意識を燃やし、LSDで人格変換を起こす主人公の活躍を描く『改造人間』(1965年刊)を同時収録する。 》
 http://www.amazon.co.jp/dp/4864031096

  「醗酵人間」を読んだ。

《 勃然と体中に悪の芽が発酵したとき、彼は稀代の殺戮魔と化す。海の彼方の人達は、彼のことをヨーグルト・マンと呼んでいる。 》

《 俺は発酵人間だ。俺は普段何の変哲もない人間だ。が、一度発酵性の液体とか植物、鉱物の類を口中に投ずれば、たちまち悪の芽が発酵を起こし、身体中が悪事をしたい、人をなぶり殺しにしたい衝動でふくれ上がるのだ! 判ったか! 》

 当時の日活アクション映画を彷彿させる展開。苦笑するしかない結末。参った参った。昨日のエッフェル塔の展望室に潜水夫出現という出来事は、突飛な発想であっても種明かしがしっかりされていたが、これはこれは、まあ、何と言うか脱力。

 ブックオフ長泉店で二冊。星新一『ねらわれた星』理論社2008年17刷帯付、竹田青嗣『世界という背離」講談社学術文庫1996年初版、計210円。星新一、読んだことがほとんどない。前者に108円シール。消費税上げをひししと感じる。

 ネットの見聞。

《 強いニッポンって「内弁慶」のことなのか。結局、米にも近隣諸国にも「誤解です、勘違いです」と言い訳しているだけ。内政では「改憲」の「集団自衛権」のと威勢がいいのにさ。 》 藤岡真

《 日本はもっと国際世論をよく見ておくべき。朝河貫一の『日本の禍機』をみると、まず国際世論の場で日本が偏っているとみなされたことから次第に実際の社会・経済上の利益でも疎外されはじめていっている。その契機は前回(20世紀初)は中国。今回はそれに韓国・中国が加わっていることに警戒しないと。 》 田中秀臣

《 アメリカの対日世論はしだいに疑惑と不信の論調に傾きつつある。 》 内田樹
 http://blog.tatsuru.com/2014/03/03_1409.php
 http://www.nytimes.com/2014/03/03/opinion/mr-abes-dangerous-revisionism.html?smid=tw-share&_r=0

《 近未来のSFでよく人体にICチップを埋め込んで民衆を管理する社会が描かれていますが、ケータイ等を持つのはそういう覚悟が要るんですな。 》

《 役に立つか立たないかで行動する人に恋はできない 》