「名句入門」

 先月27日にチリの群発地震を紹介したけど、やはり起きた、M8.2の大地震
 晴天の昼前は昨日につづいてお花見。もう散り始めている。水草に花びらが引っかかって、水草の花みたい。午後、ブックオフ三島徳倉店へ自転車で行く。鯨統一郎『包丁人 轟桃次郎』早川書房2005年初版帯付、サマセット・モーム『月と六ペンス』光文社古典新訳文庫2008年初版、計216円。帰宅すると雨。

 昨日の『不思議な国の殺人』からアリス関連を読もうかと、海渡英祐『死の国のアリス』徳間文庫、辻真先『アリスの国の殺人』大和書房、広瀬正鏡の国のアリス集英社文庫、『アリス・ミステリー傑作選』河出文庫を出してきたけど、気分が乗らない。本棚から永田耕衣『名句入門』永田書房1978年初版を抜く。「はじめに」で感心してしまった。斎藤茂吉の『作家実語抄』から引いているくだり。

《 「この”力沈む”の語は流石に表現の妙をあらはして居り、さう容易に出で来る語ではない。即ち美的心力が奥深く滲透して行く状態を云つたもので、上つ調子に浮動してゆくその反対を云つてゐるのである」 》

 心に沁み入る。本文をぱらぱらとめくる。

《  出会ひとは今を命日とする塒だらうか  加藤郁乎  》

《 もう平凡な俳人との出会いに飽きあきしている有志は、このへんで加藤郁乎との「出会い」を、擬態でもいい、歓喜してよかろうではないか。 》 206頁

 十代の末、出合った俳句が加藤郁乎(いくや)の句だからなあ。最初の出合いがその後を決めた。

《  水門や行かれぬ処芹多し   羅 蘇山人  》

 源兵衛川のところどころに元気なクレソンに混ざってつつましいセリが見える。短冊に書かれたその俳句。

《  水門也行加礼奴処芹多志  》

《 俗に「宝の持ちくされ」ということがあるが、そういう心理を微笑のうちに壮厳してくれるような風格を、この句はもっている。 》 293頁

 水門といばこの短歌。

《  少女らに雨の水門閉ざされてかさ増すみづに菖蒲(あやめ)溺るる  松平修文  》

 出合いから三十五年、今ごろ「菖蒲溺るる」の意味連合に気づいた。あやめ〜殺める〜溺れる。

《  眠りても野山の春は見えにけり  並木 霜楓  》

《 並木霜楓は正岡子規在世時代の俳人で、渋谷道さんの曽祖父にあたる。静岡県三島の藩士であった。(引用者:略)大へん多趣味の人で、俳句は最も熱心で、三島地方の俳人を集め、宗匠として運座をよく開いた。 》 305-306頁

《 高邁にして平明なこの一句の依って在る根源地こそ、絞って俳句的人間の本質だとさえいうことできるであろう。 》 307頁

 三島の俳人に出会ってしまった。

 ネットの見聞。

《 松本のインターネットの世界の幕張メッセに向けられた言葉を引用しておこう。「大きな企業と役所の優れた人々が、計画した街が、どういうようにできあがってしまったのか。高度な都市設計の手法を用いて作られたに違いないのに、どうしてあんなに居心地の悪い空間ができてしまったのだろう。たぶん、それは大企業しかなく、赤提灯や屋台、露天商や小さなお店など、都市における『すきま』が、入り込めなかったからなのではないだろうか」松本功 》
 http://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/20140401/1396278026

《 「職員全員が信頼や期待を積み重ねていったとしても、たった1人の行為がNHKに対する信頼のすべてを崩壊させることもあります。自らの行為の、NHKや日本の社会に与える影響や責任の重さは、昨日までとは全く違うことを、しっかりと自覚していただきたいと思います」← 籾井勝人会長 》
 http://www.asahi.com/articles/ASG416FF4G41UCVL034.html

 ネットの拾いもの。

《 覇権国家アメリカ  派遣国家=中国 》