「 Zanzibara7 Sikinde vs Ndekule 」

 麗らかな陽気に誘われてブックオフ函南店へ自転車で行く。堀江敏幸『いつか王子駅で』新潮社2001年初版帯付、工藤直子『くどうなおこ詩集』童話屋2003年11刷帯付、杉浦茂『少年西遊記 2、3』河出文庫2003年初版、杉本秀太郎平家物語  無常を聴く』講談社学術文庫2002年初版、住本利男『占領秘録』中公文庫1988年初版、杉浦日向子百日紅 上・下』ちくま文庫2011年14刷、2009年11刷、計864円。

 ネット注文したCD『 Zanzibara7 Sikinde vs Ndekule 』が届く。タンザニア1984年から1987年に録音された二つのバンド、MLIMANI PARK ORCHESTRA と INTERNATIONAL ORCHESTRA SAFARI SOUND の精選集。早速聴いた。うーん、最近の音楽にはない軽やかな濃密さが充溢した時空だ。日本で言えば昭和歌謡の濃厚さに通じる。時代が重なるせいだろうけど。ある種のユルさ加減がいい。このユルさが最近は感じられない。ラップが流行ってから消えたか。それにしても、エレキ・ギターの日本や欧米とは何と違った演奏スタイルだろう。その演奏スタイルはアフリカ大陸東西に共通している。

 繰り返し聴きたくなる私好みの演奏がやはりあった。INTERNATIONAL ORCHESTRA SAFARI SOUND の「 Homa Imenizidia 」。切々とシビレル。
 http://www.youtube.com/watch?v=hY4SMRx5naQ

 この演奏にタンザニアとは反対側のアフリカ西海岸セネガルのバンド、オーケストラ・バオバブ Orchestra Baobab の1981年のアルバム『 Sibou Odia 』の表題作との親近性を感じる。
 http://www.youtube.com/watch?v=khB5MDuakBo

 そして連想はギネアのバンド、ベンベヤ・ジャズ・ナシォナル Bembeya Jazz National の「 Sou 」1973年へ飛んでゆく。
 http://www.youtube.com/watch?v=D6iIvoh1_bI

 シビレル〜。どれもCDをステレオで聴いたほうが抜群にいいわ。

 「 Zanzibara 」シリーズの一番手『 Zanzibara1』は、私がLPレコードで(それからCDで)愛聴しているザンジバル島のイクワニ・サファ・ミュージカル・クラブ Ikhwani Safaa Musical Club だ。嬉しいねえ。ザンジバル島出身の木版画家、ハシム・アブディは今どうしているだろう。二十年ほど前、現地のJICA国際協力機構の人から薦められて応募した彼は、札幌市主催の第三回さっぽろ国際現代版画ビエンナーレで受賞、初来日を果たし、1996年日本橋のギャラリーで個展。木版画を買った私は、彫刻を見たいと言う彼を京橋のブリヂストン美術館へ案内した。男女が向き合っているレリーフを見て「 Combat? 」と訊いたので「 No,lovers 」と答えた。そういえば、セネガルザンジバル島も精霊が生きている。

 ネットのうなずき。

《 私は最初の個展も見ているが、強くは印象に残らなかった。それが今回はあまりの作品の良さに驚いた。何が違うのか。端的に展示が違うのだ。 》

 展示の場と配置によって、特に絵画はその輝きを一際放つか、あるいは壁に沈む。近辺では作品に合ういい展示場がなかなか見つからない.K美術館は良かった、と何人もの人から言われる。無くなってから気づくものがある。

 ネットの見聞。

《 多和田葉子 『かかとを失くして 三人関係 文字移植』講談社文芸文庫 》

 積読本から多和田葉子『文字移植』河出文庫2007年2刷を取り出す。文庫は出版社別にまとめるのが私には合っている。

《 京大、超極細ナノ炭素細線の高効率合成法を開発 - 太陽電池への応用に期待 》
 http://news.livedoor.com/article/detail/8719128/

《 今回開発したラジカル重合型-化学気相成長法は、2ゾーン独立加熱を用いることで、原料分子から非常に高密度にラジカル中間体を発生させて金属基板に吹きかけることにより、1Torrの低真空にもかかわらず、従来法の10倍の高効率でさまざまな線幅を持つ極細GNRを合成できる。 》

 凄い技術らしいが、門外漢には??? とりあえず拍手。