「『坊ちゃん』の時代 第二部 秋の舞姫」

 パソコンをWindows7に交換。起動が速くなった。新しいキーボードに戸惑うが、すぐ慣れるだろう。

 近くのホームセンターへ自転車で着く寸前に後輪がパンク。ホームセンターの自転車屋に預ける。目当ての商品(木片)を見つけただけで帰る。道々、 左右の家々を眺める。知らないうちに建物の殆どが変わった。よく通った飲み屋は駐車場に。昔日の面影は今何処。廃墟がどんどん無くなっているという。 たしかに。センチメンタルジャーニーなんて無理な時代か。汗ばんで帰宅。

 昨日購入した関川夏央谷口ジロー『「坊ちゃん」の時代 第二部 秋の舞姫双葉文庫2002年初版を読んだ。じつによく作り込んである作品だ。 関口夏央は記している。

《 その隈(くま)として、戦争よりも近代の出発のありかたのほうがはるかに劇的ではないか、という考えがわたしの内部で起ちあがった。それは、 ひろくは明治という時代そのものことであり、せまくは日露戦争後から明治終焉までの数年間である。わたしたちの現にいまある考えかたや反応の原型を 塑像したのはその時期ではないか。 》 290頁

《 明治の知識人が戦うべき対象は多くあったが、そのうちのひとつは貧困という巨大な怪物だった。しかし貧困が精神をむしばむ度合は現代よりもはる かに少なかったといえるだろう。嫉妬にとらわれるまい、貧しくても徳義を失うまいという心の傾きはつねに彼らとともにあった。明治とはそういう時代 だった。 》 157頁

 時代考証がいい。四一頁には本屋、銀座の金港堂が描かれている。前世紀末、金港堂の出した木版画入りの雑誌を京都の古本屋から入手。それから明治 の木版画にぐっと入れ込んだ。

 ネットの見聞。

《 授業で昔のマンガを紹介すると、「1970年代なんて昔からマンガがあったなんて驚きです」という反応がかえってきたりする。 私たちはすでにそういう時代に生きている。これを「いまの学生は無知で困る」という話にしてはならない。継承をさぼってきた私たちの問題なのだ。 》  伊藤剛

《 安倍政権は今社会に蔓延する『気分』の見事な反映だというのは間違いないが、ネトウヨだのヘイトスピーチ、そのカウンターまで 含めた連中がやることなすこと見るにつけ、つくづく金持ち喧嘩せずというのは本当だと思うよ。いつの時代も長い不景気と貧乏が社会にもたらす 気分が戦争を引き起こすんだと。 》 矢作俊彦

 ネットの拾いもの。

《  あべのハルカスお好み焼き屋が一軒もない。まさにここでこそ「あべのミックス焼」を売り出すべき。 》