「 芸術家とデザイナー 」

 雨。昨夜作成して送った文書にOKが出る。やれやれ。出かける用事はなく、自室でくつろぐ。

 ブルーノ・ムナーリの言葉(「芸術家とデザイナー」みすず書房)。

《 デザイナーとは、審美の眼を備えた企画設計者であり、共同体のために仕事をする者である。デザイナーは、芸術的な意味合いでの個人的な 世界観をもたない。デザイナーは、さまざまな企画設計の問題に立ち向かうための方法をもっている。 》

《 たとえ今日、工場生産によってデザイナーの仕事が様式主義者(アーティスティックな感覚で作業し、安易ですぐに消費されてしまう製品を つくろうとする企画設計者)のそれへと変化しつつあるとしても、デザイナーは、世間によく知られ、広く消費される製品を、最良の方法で つくろうと努めている者である。 》

《 他方、芸術家がデザイナーの仕事をしようとすると、かならず主観的な方法で行い、自身の「芸術性」を誇示しようとする。そして、製品に 自分の信念が息づき、他の人にも伝わることを望む。これは、画家であろうと、彫刻家であろうと、建築家であろうと変わらない。 》

《 未だにこの分野はとても混乱しているが、それは現在進行している主観的価値と客観的価値の移り変わりがまだ明らかになっていないからだ。 進化した社会では、主観的価値(「私がどのように世界をみるか」ということ)ではなく、客観的価値が優位になっている。 》

 ネットの見聞。

《 どうしてグローバル人材による国際競争力の強化なんていう「世迷い言」を新聞はまだ「客観的事実」であるかのように語っているので ありましょう。何度も書いていますけれど、「グローバル人材」というのは現代における「ガレー船の奴隷」みたいなものですよ。 》 内田樹

《 正確には「ガレー船の奴隷みたいなものを創り出すためのイデオロギー装置」です。「お前はグローバル人材じゃないから雇用しない」とか 「雇用してやるけど、非正規」とか「最低賃金で」とかいう雇用条件の切り下げのために「君はグローバル人材ではない」という構文でしか 使われないんですから。 》 内田樹

《 「英語が使える日本人」も「グローバル人材育成」も「自分はその条件を満たしていない」という低い自己評価をもつ若者を大量に生み出す ための装置です。雇用のハードルを上げると、ふつうは求職者が集まらなくなるんですけれど、日本ではそうやって非正規雇用への求職者を増やして いるんです。 》 内田樹

 ネットの拾いもの。

《 ヒートテックっていちばん寒い頃にはあんまり着てる効果を感じられなくて、少し暖かくなってきたときにうっかり着ると不快なほど暑い。 》

《 黒コンって、なんかものすごくいやらしい合コンのことかと思ったら、黒いコンタクトレンズか。 》