「堀アンナの事件簿」

 曇天。昼過ぎ小雨。ここだけ降ったり止んだり。

 鯨統一郎『堀アンナの事件簿  ABCDEFG 殺人事件』PHP文芸文庫2012年初版を読んだ。AからGまで七短編。いかにも鯨統一郎、 気軽に読める。

《 あたしは堀アンナ。十八歳。 》 「第一話 Aは安楽椅子のA」

《 両親が死んで飼い猫のダニエルが死んで、聴力を失い、 》 「第三話 Cは地下室のC」

《 今まで、たくさんの不幸に見舞われた。でもがんばっていればきっといいことがある。今日みたいに。 》 「第七話 Gは銀河のG」

 身近な関係者が次々と殺される、しかしユーモアたっぷりの文字通り安楽椅子探偵ミステリー。深刻な状況から立ち直るドジな十八歳の子が、 なんとも可笑しい。それぞれが盲聾唖(めくら・つんぼ・おし)の若い女性三人寄れば文殊の知恵の探偵事務所。いやあ、愉しめた。

 ビックリはこれ。

《 このときのクライアントは越沼和司。 》 「Cは地下室のC」

 親戚にもこの名前は……ない。

《 「君、お名前は?」「三島勇太」 》 「Eは英語のE」

 今度は三島市かい。笑いを通り越して背筋が寒くなった。ホント。

 PHP文芸文庫の栞にはこんなコピー。

《 人間を味わう  人生を考える。 》

 ネットの見聞。

《 クローズアップ現代自衛隊イラク派遣10年』。「一人の犠牲者も出さなかった」と政府が胸を張ったこの海外派遣で、実は帰国後、 28人もの隊員が自ら命を絶っていた事実が明らかにされた。実際に戦闘行為はなくとも、戦地での滞在で深い心の傷ができることを伺わせる 重い数字だ。 》

《 沼津市役所庁舎に水墨抽象画の巨匠、篠田桃紅さん(101)=東京都在住=が描いた壁画が意外な場所に眠ったままになっていたことが 分かった。市によると、庁舎が建設された48年前からあったが、ここ30年以上は、誰の目にも触れることがなかった。ベテラン職員も 「全く知らなかった」と、予期せぬ“お宝”の発見に驚いている。 》 静岡新聞
 http://www.at-s.com/news/detail/1012819325.html

 ネットの拾いもの。

《 野暮用があって、ホント久しぶりにJR「みどりの窓口」に赴く。
  あれれ、係員が一人だけで、受付口も一つだけ。客も俺の他に一人だけ。
  ああ、今は、皆さん、ネットで買うわけな。
  駅構内のは、「ひとりの窓口」ね。
  ものすごく寂しいネーミングだあ・・・ 》