「必然という名の偶然」

 近くのスーパーへワイシャツを買いに行くが、ごく普通の気に入ったものがない。店内の本屋へ寄る。美術雑誌で期待の新人数百人 を紹介していたけど、図抜けたあるいは並外れたセンスを感じさせる作品はなかった.掲載作品が良くないのかな。こちらの眼が悪い のか。眼鏡はまだ持っていない。裸眼で勝負。

 ブックオフ長泉店で四冊。井原西鶴『現代語訳 好色五人女河出文庫2007年初版帯付、柴田哲孝『TENGU』祥伝社文庫2008年 11刷帯付、辻真先ほか『探偵Xからの挑戦状!』小学館文庫2009年初版帯付、同『探偵Xからの挑戦状!season2』小学館文庫2011年 初版帯付、計432円。

 西澤保彦『必然という名の偶然』実業之日本社文庫2013年2刷を読んだ。六篇を収録。どれもこうひねるかあ、と舌を巻く。ミステリ ならではの言葉遣いのレトリックが横溢。描写が何処で一転したか、しばし前へ戻って読み返す。たいしたひねくれものだ。最初の 「エスケープ・ブライダル」と巻末の「エスケープ・リユニオン」が同じホテルでの出来事で、起と結になっている。その女性オーナー が自称「富豪探偵」。たしかに大富豪だ。筒井康隆の『富豪刑事』のパロディなのが可笑しい。

 この本、初刷が2013年4月15日、2刷が翌日の16日。

 ネットの見聞。

 『ミステリマガジン700 国内篇』(創刊700号記念アンソロジー早川書房の収録作品が興味深い。「暗いクラブで逢おう」 小泉喜美子が何より嬉しい。『暗いクラブで逢おう』新書館1976年初版を小泉女史から恵まれた。最近このような都会派ミステリを 目にしないなあ。『海外篇』はほとんど未読作品だ。どちらもきょう行った本屋には未入荷。
 http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/440202.html
 http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/440201.html

《 だから、デザインを生業とする人の底にはなにもない。芸術家がもっている「こんなものをつくりたい」「こうしたらかっこいい」 「ああしたら美しい」という"自我"は存在しない。デザイナーが重視する"自分"とは、環境のなかでそれを感受する受け皿としての 「個」なのだ。 》 坂井直樹
 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39044

《 時事通信取材だん。お題は「集団的自衛権」。もう同じ話をするのに飽きたので、違う話をしました。「自衛隊の海外派兵の目的は 何でしょう?」「自衛隊員がアメリカの軍事作戦に参加して死ぬことです」「?」「死んだらどうなります。1945年以来はじめての 英霊ですよ」 》 内田樹

《 「も、もしかして」「そう、そのもしかです。当然彼らは英霊として靖国神社の祭神になります」「そして、日本政府は・・・」 「アメリカ大統領に靖国公式参拝を要請するわけですよ。『貴国の軍事作戦のために死んだ英霊の慰霊のためにぜひご来駕願いたい』。 大統領は断れませんよ」「やりますなあ」 》 内田樹

《 というシナリオを当然アメリカの国務省のスタッフは想定しています(アメリカという国は「最悪のシナリオ」を思いつく想像力の 奔放さを高く評価する習慣があります)。「集団的自衛権の行使ですけど、日本をアメリカ軍に帯同させるの、止めた方がいいですよ」 と進言しているはずであります。 》 内田樹

《 福島市でも年間1mSv以下の地区は全体の2割程度。なぜ福島だけが全国基準より上回ることが許されるのか。だが、東電は 追加徐染費用を計上していない。福島原発の事故処理ばかりに目を奪われているが、これは戦後最大の環境汚染問題なのです。 》  金子勝

 ネットの拾いもの。

《 悲しいときー動物園のガラス越しにライオンを見るコーナーのガラスが手違いで取り外されていたときー 》

《 「謹んでお詫び申し上げます」をミスタイプして「死んでお詫び申し上げます」と書いてメール送信してしまい軽くトラブルに なっている。 》