「石果集」

 自宅前の大通り商店街は歩行者天国で賑やか。自宅前では猿回し。歓声と拍手。昼前には小雨。道路一杯に傘の花。

 『辻まことセレクション2 芸術と人』平凡社ライブラリー、「言葉の音」冒頭。

《 以前──もう十四、五年にもなるだろうか──尾崎さんに「金峰山の思い出」を朗読していただいたことがある。それは ラジオで放送されたのだが、詩人の本郷隆さんがテープに採っておいてくれて、そのテープをだいぶ後になってから私は頂戴した。  》

 はて、「尾崎さん」て誰だろう。他の文章にも「尾崎さん」とあるだけで何の注釈もない。「尾崎 金峰山の思い出」で検索、 尾崎喜八と知る。
 http://www.bekkoame.ne.jp/~mann1952/ozaki/poet2/tabi/tabi-5.html

 本郷隆の名が出てきたので、本郷隆『石果集』歴程社1970年初版を本棚から抜く。八十頁に満たない本文を再読。

《 ポピュラー音楽をクラシック音楽と区別するものは、前者が「性」のなかに閉じこめられているという点だ。他の区別は どれも根拠薄弱である。 》 20頁

 私のたとえではクラシック音楽は首から上、ポピュラー音楽は胸から下。

《 空が青いこと、植物が緑であることにやりきれない食傷を感じる。 》 38頁

 昨日までの三日間、伊豆高原の文字通り多彩な緑の饗宴を楽しんだ。これほどに山の緑が多彩だとは。眼を見張った。そして 空の青。三日間の青空の変幻には眼を奪われた。山の緑も空の青も、自宅近辺で仰ぎ見る色模様とは画然と違っていた。食傷する どころではなかった。それは緑の発見、青の発見とも言いたくなるほどだった。眼が洗われた。今まで何を見ていたのか。 芸術の及ばぬことを実感。

《 (北斎はオランダの銅版画からどういう学び方をしたのだろう。ゴッホは広重から──。) 》 65頁

 この点を私も知りたい。私は広重により大きな関心がある。西欧にとって北斎は同時代人、広重は前近代人とも言われる。

 ネットのうなずき。

《 『知っておきたい日本の神様』武光誠(角川ソフィア文庫)読了。神社や日本の神の基本的なことがコンパクトにまとめられている 便利な書 》 鯨統一郎

 ネットの見聞。

《 それにしても、最近はコンプライアンス法令遵守)ということが盛んに言われて、ちょっとした「産地偽装」なんかでも 厳しく糾弾されるのに、TPPや辺野古移転での公約違反だの、集団的自衛権での憲法違反だのといった巨大で極悪な違反が全然 オッケーなわけがまったく分からん不思議の国ニッポン。 》 想田和弘

 ネットの拾いもの。

《 ニュースから聞こえた「やまぐるま」ってなんぞ?と思って画面をみたら山車が映ってた。 》