昨日五月十五日は後世、平成の5・15事案と呼ばれるかもしれない。
岡本太郎・宗左近『ピカソ ピカソ講義』朝日出版社1980年初版を一気呵成に読了。じつに刺激的だった。付箋が 林立。美術家の岡本太郎に詩人の宗左近が問いかけるというかたちで進む。今まで読んだピカソ論でもっとも説得力が あった。岡本太郎のピカソに関する発言から。
《 いちはやくピカソの才能を認めたヴォラールが個展を開いてくれたが、一点も売れなかったし、画壇からも無視された。 》 119-120頁
《 ピカソという人はただの抽象にはなれない人なんだ。なまなましく、ものでなきゃならない。 》 121頁
《 ほんとに彼は芸術家であったことは確かだけど、いわゆる「絵描きさん」でもあったな。 》 141頁
《 価値観を前提に芸術やったら、全然意味ない。価値以前であり、価値を越えているものが芸術なんだ。 》 153頁
《 ピカソの絵というのは好かれるために描いたようには全然見えない。何だ、こんなものは、というようなものを 描いている。それがピカソの絵を見てピーンと共感を覚える点だな。 》 153頁
《 だって、あれだけ巨大な存在でありながら、ピカソはほかの作家たちにほとんど影響を与えていないでしょう。巨大な 孤峰ですよ。 》 167-168頁
《 うん、だからね、彼の場合、十九世紀を否定し、それまでの自然主義をぶち壊したけれども、破壊してもやっぱり自然 主義なんだな。結局、彼の絵を見ると、十九世紀を土台とした静物画、風景画、ポートレート。ほとんどがそうだ。 》 171頁
《 だれもやらなかったことをやるというのは絶対に日本じゃ認められない。ヨーロッパでもピカソははじめは許されなか ったけど、いい支持者がいた。 》 177頁
話は広がる。
《 さっきも言ったが、日本人の一つのモラルとして危険を犯さないということを前提としている。だから誰も言わなかっ たことは言えない。 》 180頁
《 ぼくば、芸術は命がけの遊びだ、という信念を持っている。 》 185頁
《 ぼくは昔から宣言しているが、美と醜というのは一体ですよね。 》 188頁
対する宗左近もじつに鋭いことを述べているが省略。宗左近はなにあろう、北一明を高く評価している。豪華本『北一明 の世界』主婦と生活社1987年の「前口上」は宗左近。一部引用。
《 この眩暈の思い切って大胆な定着者が、北一明である。すなわち、伝統と現代の時空を二つながらに窯にぶちこんで、 全く新しい宝石と化そうという錬金術師。いかなる雷光がそこから発して、わたしたちのひたすら白い真昼を引き裂いて、 どこに走るか。 》
ネットのうなずき。
《 なんで憲法を行政府が自在に変えることが出来るのだ???立憲制度の全面否定をしているぞ。 》
《 これ、集団的自衛権についての議論に乗っちゃダメなんだよな。あくまで、解釈改憲にノーを言わないと。 》
《 安倍「あらゆる事態に対処できるようにする。戦争する国になることは断じてない」→認識や考え方がどうとか以前に 国語力が破綻しているらしい。 》
ネットの見聞。
《 半藤一利氏:日本に対する他国の攻撃意志を阻んできたのは「日本が戦争をしない」真摯な努力を、70年続けてきた ことへの「信頼感」だ。ところが集団的自衛権は、国際的信頼をふり捨て、人のケンカを買って出ることになる。 》
《 今日の名言。集団的自衛権をどう考えるかと問われた信太山駐屯地の30代の陸自隊員自衛隊員「他国の戦争に加勢 するのが自衛隊の任務とは思えない。人を殺さず、助けるだけの軍隊でいい。 》 山中速人
《 同性愛に厳しい人は同性愛の友達がいないんだろう。在日の人に厳しい人は在日の友達がいないんだろう。ニートに 厳しい人はニートの友達がいないんだろう。うつに厳しい人はうつ病の友達がいないんだろう。障害者に厳しい人は障害者 の友達がいないんだろう。結局、自分の世界しか知らない。 》
《 いま国立大学が大変なことになっている。 》
《 「スピーディな意志決定」を売りにするこの「ヤンキー政権」は、自民党が過半数を握っているこの時期に一気に 彼らの言う教育「改革」を進めるつもりらしい。 》
http://tanshin.cocolog-nifty.com/tanshin/2014/05/post-054f.html