「日本の思想」

 ブックオフ長泉店で三冊。高野史緒カラマーゾフの妹』講談社2012年初版帯付、石川九楊『 書とはどういう芸術か』中公文庫1998年9刷、内田百ケン『東京焼盡』中公文庫1991年4刷帯付、計 一割291円。

 内田樹ツイッター

《 「今この国を考える」フェアには僕もコメントを寄せております。僕が選書したのは丸山眞男 『日本の思想』です。コメントは「日本がさきの戦争でどうしてあれほどひどい負け方をしたのか。 その本質を深く、明快に解明した丸山の研究を超えるものを僕はこのあと読んだことがありません。 (続く) 》

《 (承前)「そして、『あれほどひどい負け方をした』システムがそのまま戦後七十年間生き 続けていることにさらに愕然とします。」 》
 http://mainichi.jp/journalism/listening/news/20140602org00m040004000c.html

 丸山眞男『日本の思想』岩波新書1968年16刷を久しぶりに再読。昔はポストイットなんてもの がなかったから、ところどころに赤ボールペンで傍線。傍線のない箇所で印象的だったくだり。

《 本来、理論家の任務は現実と一挙に融合するのではなくて、一定の価値基準に照らして複雑 多様な現実を方法的に整序するところにあり、従って整序された認識はいかに完璧なものでも 無限に複雑多様な現実をすっぽりと包みこむものでもなければ、いわんや現実の代用をするもの ではない。それはいわば、理論家みずからの責任において、現実から、いや現実の微細な一部 から意識的にもぎとられてきたものである。従って、理論家の眼は、一方厳密な抽象の操作に 注がれながら、他方自己の対象のが外辺に無限の曠野をなし、その涯は薄明の中に消えてゆく 現実に対するある断念と、操作の過程からこぼれ落ちてゆく素材に対するいとおしみがそこに 絶えず伴っている。 》 60頁

《 近代ヨーロッパにおいて、それぞれ由緒と来歴をもち、さまざまな論理的組合せにおいて 発展して来た思想的要素がただ一つの「科学的世界観」に凝縮されて芸術の世界にもちこまれ、 マルクス主義がその綜合象徴として機能したところに、日本のプロレタリア文学史の、いな、 プロレタリア文学を始点として展開した昭和文学史の光栄と悲惨があったのである。 》 83頁

 ネットの見聞。

《 第一次世界大戦はヨーロッパにとって43年ぶりの国家間戦争だった(バルカン戦争除く) 事実に無知を思い知る。英雄を夢見て志願した『西部戦線異状なし』の学生が、毒ガスと戦車の 塹壕戦で感じた落差は凄かったろう。特攻小説と愛国漫画に煽られた人たちはやがて来る70年 ぶりの戦場に何を見るだろう 》 芦辺拓

《 『週刊ポスト』(5/9・16)が1985年に創刊され、2000点を突破したフランス書院文庫に 関して、「熟女たちが濡れて乱れる『フランス書院文庫』の官能世界」特集を組んでいる。 》

《 フランス書院三笠書房の子会社で、この文庫は低返品率を誇る出版社のドル箱にして、 書店や古本屋でも人気の高いものだった。それがついに2000点に達したことをこの特集で知ら された。岩波文庫が70年かけて5000点であるので、フランス書院文庫もそれに匹敵する点数を 出してきたことになる。 》
 http://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/20140601/1401548443

 フランス書院文庫では綺羅光を三冊持っているだけ。氏が以前近所のマンションに住んで いてお付き合いしていた時に購入。1035番『淫獄の学園』2001年、1241番『隷辱の肉舎』2004 年、1364番『薔薇と制服』2005年。団鬼六とはずいぶん違った作風だ。

 ネットの拾いもの。

《 風呂上がり、タンクトップに短パンという真夏仕様。6月からこれでは8月は何を着れば いいのか。 》

《 ワールドカップに関して一言。さっさと始めろ。 》