「日本の思想」つづき

 昨日購入した江戸川乱歩賞受賞作高野史緒カラマーゾフの妹』講談社の帯に東野圭吾の一文。

《 原典『カラマーゾフの兄弟』も、きっと面白いに違いない! 》

 え、読んでいないの? 巻末の選評から。

《 五人の選考委員の中で原典を読んでいないのは私だけであった。 》

 丸山眞男『日本の思想』岩波新書1968年16刷後半も再読。ここで語られている問題点も今なお 色あせていない。というよりもネット時代になって一層切実な問題となっている。

《 ところが「である」思考と「らしく」道徳の強い社会では、とかくそうした「はたらき」の 区別が特定の人間や集団の区別からもっぱら出て来るように考えられます。つまり文化活動は「 文化団体」や「文化人」に、政治活動は「政治団体」や政治家にそれぞれ還元されてしまうから、 文化団体である以上、政治活動をすべきでない、教育者は教育者らしく政治に口を出すなという ふうに考えられやすいのです。 》 172頁

 以前読んだ時もこの「『である』ことと『する』こと」の章が最も印象的だったが、今回も。 日本人は何も変わっていない、ということか。ならば、変えていこうじゃない。

 ネットの見聞。

《 忍法帳の山田風太郎や伝奇SFの半村良らと通底する、都筑の伝奇・幻想ロマン時代小説復権の 試みが、今回日下三蔵の編纂により全四巻の「都筑道夫時代小説コレクション」として刊行される。 『神州魔法陣』上下巻につづいて、さらにSF的幻想味を増した『神変武甲伝奇』と、ミステリ執筆 以前の都筑二十代の時代小説から『変幻黄金鬼』『妖説横浜図会』『赤銅御殿』『地獄屋敷』の 力作四篇に文庫未収録の中篇「暗闇坂心中」と、大江戸オカルトアクションミステリーというべき 後年の短編連作『幽鬼伝』の合本の刊行が予定されている。 》
 http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=75978907

 『神州魔法陣』は桃源社1978年初版と時代小説文庫(上・下)1981年初版、『神変武甲伝奇』は カドカワノベルス1984年初版と角川文庫1989年初版、『変幻黄金鬼』は時代小説文庫1982年、『幽 鬼伝』は光風社出版の新書1985年初版を持っている。どれも未読。読む楽しみが増え(過ぎ)る。

《 以前、玉田プロジェクトへアメリカのコレクターたちが現代日本美術を買い付けに来たとき、 彼らが抽象作品はみなアメリカのコピー、亜流だとして一切興味を示さなかったというエピソード を思い出した。そして日本的と見なした作品だけを購入していったという。そのことは欧米の美術 評論家たちが戦後日本の美術を評価したとき、山下菊二の「あけぼの村物語」を1位に推したこと を思い出さずにはいられない。 》
 http://d.hatena.ne.jp/mmpolo/20140604/1401809550

《 いずれにしても、「防護服」では放射線は防護できない。 》 武田邦彦
 http://takedanet.com/2014/06/post_609f.html

 ネットの拾いもの。

《 不動産業界で「JJ」と言うと「住宅情報誌」のことを指すってほんとなのかな。まあ、 ほんとなんだろうな。 》