「女たちの時間」

 雨は止んでいるけどバスに乗って歯医者へ。治療は終わり。「死ぬまで大丈夫ですよ」と 言われるが……。帰りは小雨の中を徒歩。枇杷の実が熟しかけている。紫陽花は三分咲き。 帰宅してパソコンを開く。

《 では…長らく品切れ状態になっていました『レズビアン短編集』、タイトルを『レズ ビアン短編小説集――女たちの時間』として8月に再刊いたします。皆様、本当に有り難う ございます。 》 平凡社ライブラリー

 珈琲を淹れるお湯が沸く間に棚から利根川真紀・編訳『女たちの時間 レズビアン短篇 小説集』平凡社ライブラリー1998年初版を取り出す。ガートルード・スタイン、ヴァージ ニア・ウルフらに混ざってイサク・ディーネセンも。『アフリカ農場』のカレン・ブリク センの別名。収録のディーネセン「空白のページ」を読んだ。深い暗喩だ。解説にうっかり 言葉を足すと火傷しそう。桑原桑原。舞台はカルメル修道会。マックス・エルンスト 『カルメル修道会に入ろうとした少女の夢』河出書房新社1977年へつなぐのは無謀にして 地雷を踏みそうなので、ここで終わり。1996年に出た河出文庫版の「あとがき」冒頭。

《 マックス・エルンストの『百頭女』につづいて『カルメル修道会に入ろうとした少女 の夢』を改訳し、文庫本に収めることができた。 》

 これも改訳かい。でも文庫本では肝心の図版が小さくて愉しめない。

 閑話休題レズビアン小説、日本人なら松浦理英子が筆頭かな。『ナチュラル・ウーマン』 トレヴィル1987年初版の帯文。

《 女が女を愛するのは、まったくナチュラルなこと、彼女たちはそう私に教えてくれた。 》

 「ナチュラル・ウーマン」を再読。うーん、敵いません、無駄な対抗(抵抗ではない) はするもんじゃない、と訳のわからぬことを思ったり。傑作だろう。

 昨日取り上げた石川九楊『書とはどういう芸術か  筆蝕の美学』中公新書は剛直な史観 に貫かれた著作だが、紹介されている書家の殆どが男性であり女性書家は篠田桃紅一人きり だったような。

《 疾走するような単純な速度を表現する作品は無数に現れ、文字を造形と読みかえた場に、 記号やマークと見まごうような作品が多数生まれた。
  本来は「陰色」であるべき書線に濃淡の落差をつけ、比喩的に言えば着彩した書といえ るような書として、自ら「美術家」と名乗る篠田桃紅の「見得ぬかたち」、また飯島春敬の 「ゆめ」などの作品がある。 》 176頁

 飯島春敬は男性。書の歴史は男性のみで作られたのか。

 ネットの拾いもの。

《 「前世を見てもらったら、わたしは1,300年間結婚していないんです」という、スケール のでかい話を先日の飲み会で言われた。 》

《 あくまが/きたりて/ふえをふく
  やはり四・四・五の語呂の良さは格別だな
  ラーメン/つけ麺/僕イケメン
  東海/道中/膝栗毛   》

《 あくまが/きたりて/ほらをふく  》