「くるみ割り人形とねずみの王様」

 ジブリ美術館の「クルミわり人形とネズミの王さま展」開催にちなんで、E・T・A・ ホフマン『くるみ割り人形とねずみの王様』河出文庫1996年初版を読んだ。あれよあれよ の場面転換にあたふた。転がる石のよう。1816年の発表。二百年前かあ。
 http://www.ghibli-museum.jp/news/009543.html

《 こっけいで不気味、気が良くて残酷、エレガントでうさんくさい。そのどちらかでは なくてどちらでもあるのがホフマンの作中人物のようです。 》

 訳者種村季弘の上記の解説が見事に言い当てている。併録の「見知らぬ子ども」は、 アニメ『となりのトトロ』を彷彿させる。収録のもう一篇、「大晦日の夜の冒険」冒頭。

《 以下の旅の熱狂家日記からまたしてもカロー風幻想曲が語りだされるのであるが、 》

 四十年ほど前に出た『ホフマン全集』に『カロ風幻想作品集』があったけど、そのカロが 先月国立西洋美術館で観たジャック・カロ Jacques Callot だとは今まで気づかなかった。

 ネットの見聞。

 音楽好きな知人女性に送った映像、オーケストラ「マンボ」を喜ばれる。
 http://www.huffingtonpost.jp/2014/06/05/dudamel-mambo_n_5450064.html

《 中世日本人の歩行法がなぜ現代日本人にとってはこれほどむずかしいのか。昔も今も、 効率的に身体を使いたいという動機に違いはないはずなのに、これほどまでに身体の使い方 が違う。なぜか。あらゆる人間は試行錯誤の末に、すべての人間にとってもっとも合理的な 身体の単一の使い方に帰着するだろうと僕たちは漠然と思い込んでいますけれど、よく考え たら、そんなはずはないんです。逆なんです。人間が求めているのは誰にとっても合理的な 標準的な身体運用の正則ではなくて、無数の運動の選択肢のうちからひとつを選ぶことの できる自由なんです。 》 内田樹
 http://seichi-jyunrei.hatenablog.com/