「富士山の光と影」

 昨日は会合の合間にデザイナーの友だちが二十年ほど前に描いていたスクラップ 帳を拝見。レタリング文字、娘さんのために描いたテディ・ベアやピーター・ラビ ットにふむふむ、いいね、と感想を述べ、ブルドッグ(ぬいぐるみ)がペアで軽く ステップを踏んでいる絵にはビックリ。この描写はちょっと見たことがない。 うまいわ。「こんなのもあった」と、A4判ほどの板に墨筆で描いた駆けるような 馬の線描画。仰天。「面倒になってここで筆を止めた」というが、正解。デッサン の練習でだけではできない生きた線。天賦の才能だけでなく、書を習っていた賜物 だろう。彼女がフェイス・ブックに載せると知人が「いいね!」。先だって私に絵 を見てほしいと言った彼は、この絵に解決の糸口を感じたのだろう。

《 私の予測は筆触を含めた生きた線と色面の復活。 》

 と、12日に書いたが、その一例だ。楷書にたいする草書のような。ジャズで いうスイング感かもしれない。

 昨日のグラウンドワーク三島の総会後、専務理事・渡辺豊博氏の出たばかりの 『富士山の光と影』清流出版を購入、読んだ。易しい語り口で富士山の酷い現況 を暴き、行政の怠慢を暴き、そして富士山の懐深い魅力と楽しみ方を紹介してい る。行政、企業は無視できぬだろう。

《 現場に足も向けず、机上の空論による意見や、偏った専門性を持った人には、 富士山を、日本を変えられません。 》 137頁

《 一気に解決できるとはとても思えず、二〇一六年の状況報告書には間に合い ませんから、自主的に登録を延期してもらい、五年後ぐらいに顔を洗って出直す のが、現実を踏まえた正当な段取りだと思っています。 》 145頁

 痛快ではあるが、悲痛の裏返しだ。待ったなし。乾坤一擲の警世の書だ。 マス・メディアも上っ面の取材を深く恥じるべき。

 ブックオフ長泉店で二冊。奥山康子『青いガーネットの秘密』誠文堂新光社2007 年初版、貫井徳郎『慟哭』東京創元社1993年2刷、計一割引194円。ブックオフ函南 店で長岡弘樹『教場』小学館2014年7刷、法月綸太郎『ノーカット判 密閉教室』 講談社函付2007年初版、春山行夫『花ことば (上・下)』平凡社ライブラリー 1996年初版、計一割引388円。

 ネットの見聞。

《 あとたまに作家名が男性っぽいのに女性(あるいはその逆)というケースで、 後から性別がわかってものすごく焦ることもある(例:荒川弘)。 》 文壇高 円寺

 荒川弘(ひろむ)=女性漫画家。ミステリ関係では乾(いぬい)くるみ。知人 女性が「女だと思ってたあ」

《 「誰からも批判されない正しい意見」だけを言おうと必死になっているうちに 頭とカラダがおかしくなっていく人をたくさん見てきました 》 増田聡

《 国内で勝手に機雷除去は武力行使に当たらずと政府解釈を変えても、国際的 には通用しない二枚舌。自ら攻撃を受けてないのに参戦した日本が今度は攻撃の 対象に。戦争の泥沼に入り込む日本が「必要最小限」の集団的自衛権行使を超えた から「じゃ、この辺で」と自ら買った戦争を途中退席できるわけがない。 》  中野晃一