「馬」

 昼前、龍沢寺の雲水が声を張り上げて歩いてゆく。最近復活した。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BE%8D%E6%B2%A2%E5%AF%BA

 友だちから昨日いただいた「馬」の絵を梱包をほどいて鑑賞。一昨日の ブログで話題にした絵だ。くれる、というので昨日もらった。日差しが直接 届かない場所に置き、少し距離を置く。馬の力強い筋肉の盛り上がり、胴の 光る汗、足の緊張、波打つ豊かな尾、短いたてがみ、深い眼差し等が立体的 に交響、漲る生命力が、絵から突出するようにビンビン伝わってくる。 友だちは、人からアーダコーダと言われるのが嫌で今まで誰にも見せなかっ たと言う。そうだろうなあ。美術をちょこっとかじっている自称画家はデッ サンがおかしいとか言いそうだ。ある人はリアルじゃないと言うかも。 リアルとリアリティの違いを分からない人たち、写真のように描けばいい、 と思い込んでいる人たちにはこの絵は見せたくなかっただろうなあ、と思う。 じつに見事な作品だ。

 宇野亜喜良はとても印象的な馬を描く。最初に印象づけられたのは、今江 祥智『夕焼けの国』実業之日本社1973年初版の函に描かれた馬。本文にもい くつかの馬の線描画。『宇野亜喜良60年代ポスター集』ブルース・インター アクションズ2003年にも馬の絵がいくつか掲載されている。簡明な線描から 華麗なる装飾を凝らした馬まで、じつに多彩だ。

 友だちの馬の絵は、宇野の華麗な絵とは正反対。墨一色の筆による線描、 凛とした存在感に一瞬、動いているかのような錯覚を覚える。競走馬だ。 走る気構えの勇姿を、走る筆が迷いなく一気呵成に描ききっている。

 この絵の馬には何がふさわしいだろう。安岡章太郎『サーカスの馬』?  違うな。虫明亜呂無シャガールの馬』? ちょっと違うなあ。

《 瞋(いか)りこそこの世に遺す花としてたてがみに夜の霜ふれるかな 》

 塚本邦雄の短歌がふと過ぎる。

 ネットのうなずき。

《 私にとって、一生、これだけあればいい、貧乏でもお金を出して買って そばにおきたい、と思えるもの、見てよかったと思えるものはごくわずかだ。 》  福山知佐子 
 http://chitaneko.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/index.html#entry-94920658

《 武力の誇示から得られるものは、尊敬ではなく恐怖でしかない。 》  藤岡真

 ネットの見聞。

《 本日から展示「誰も借りてくれない本フェア」始まりました! そう、ここに 並んでいるのはICU図書館に納品されてからこのかた、誰にも一度も借りてもらっ てない本たち!あまりに哀しすぎる企画です(;∇;) 6月16日〜7月4日 まで開催中! 》
 国際基督教大学図書館

 先だって三島市立図書館で二十年前に出た『陶』京都書院全百巻を通覧、殆どの 貸し出しカードが空欄。栞なども挟まっていて綺麗なものだった。

《 当店は誠実に商品を選別して入札者に喜んでいただけるよう努力しています。 しかし真贋の確認はご入札者様が判断して下さい。 》

 ネット・オークションの断り書き。物故作家の青磁茶碗だが、本物? という 印象。画像だけでは判断できない。私なら見送り。以前某物故作家の茶碗を同じ 人が二碗出品していたが、箱書きと茶碗が入れ違っていた。別々の人が落札。 交換しないだろうなあ。

 ネットの拾いもの。

《 大阪市役所の女性職員がバーゲン会場で値札を付け替えて、十数万円の品を、 三万くらいで買っていたというニュース。
  もし、元の値段より、安い値札じゃなくて高い値札に付け替えて買って いたら、どんなニュースになるんだろうか。 》

《 枕カバーの撮影ラフを描かねばならず、参考にしようとGoogleで「枕カバー」 と画像検索をしたわたしの驚きをあなたにも知って欲しい。 》