野呂邦暢(のろ・くにのぶ)『草のつるぎ』文藝春秋1974年初版、後半「第二部 砦の冬」を読んだ。「あとがき」から。
《 わたしは昭和三十二年六月、陸上自衛隊に入隊した。初め二ヵ月は九州、佐世保の 北東部にある海辺の駐屯地で過ごした。 》
《 第二部「砦の冬」は「草のつるぎ」の続編に当る。北海道千歳の機械化大隊で一冬 を過ごした主人公が自衛隊をやめるまでの物語である。明らかに意図しはしなかったが、 この作品に昭和三十年代初期という時代の顔が現れているとすればわたしは嬉しい。 》
《 男たちはかき寄せた雪を円匙ですくってモーター・プールの隅に運んだ。その体が うす青く透明な光に包まれたように見えた。彼らは影を帯びなかった。日光と雪の反射で そうなった。雪晴れの午後にはよくあることだった。 》
モータープールという言葉がよく出てくる。駐車場はまだ浸透していなかったのか。 そして札幌の女たち。
昼前、ブックオフ長泉店でのんびり本を眺めていると電話。『日本文学全集20 獅子 文六』新潮社1975年8刷とマーク・トウェイン『トム・ソーヤの冒険』新潮文庫2012年初版 をつかんで160円払い、出る(携帯電話って全くう〜)。グラウンドワーク三島事務局で 来週の視察の打ち合わせ。
ネットの見聞。
《 少子化で困るのは年金とか人口比が年寄りに片寄るとか言った近未来のことだけを 考えるからで、数百年先を考えれば、世界人口が10億〜20億人くらいであれば、 エネルギー問題も食料問題も総じて環境問題と言われるものは、すべて解決します。 》 池田清彦
きょうは新月とか。世の闇は深い。