「 名探偵の饗宴 」

 山口雅也ら八人による競作『名探偵の饗宴』朝日新聞社1998年初版を 読んだ。一昨日の『金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲』とは違って、こちらは 作家自身が作った名探偵が活躍する短編集。自作の探偵だから当然生き生き している。本格からサイコ・ミステリまで多彩。名探偵の饗宴だ。しかし、 名探偵をどれだけ知っているか。
 「キッド・ピストルズ山口雅也、「メルカトル鮎麻耶雄嵩、「桜井京 介」篠田真由美、「二階堂蘭子二階堂黎人、「法月綸太郎法月綸太郎、 「葉村晶」若竹七海、「大道寺綸子」今邑彩、「暮林美央」松尾由美

 最初の山口雅也「鼠が耳をすます時」は、パラレル・ワールドのイギリス、 キッド・ピストルズものの一作。殺人事件の鍵がファン・ゴッホの耳削ぎに ある。なんという発想。

《 「彼は確か、自ら耳を切断しましたよね。わたしはゴッホについて研究 したわけではないから本当のところは知らないが、彼がそんな行為をしたの は、耳が良すぎたせい──耳でいろんなものを見すぎてしまったせいもあっ たんじゃないかと思っているんです……」 》

 『名探偵より愛をこめて  推理する頭脳』講談社1991年初版では二十二 人の名探偵。『小説現代』二十五年間の短篇から選出。金田一耕助明智 小五郎、神津恭介、星影龍三、御手洗潔らはいなくてそれでも二十二人。『 名探偵の饗宴』とは重ならないから二冊で三十人。はあ。名探偵が多すぎる。

 午後、三島市初任者研修で教師十六人を、グラウンドワ−ク三島の小松 理事長らと源兵衛川を歩いて説明。台風接近の曇天がなんとかもつ。

 ネットのうなずき。

《 巧い作家は少なくはないが、巧いだけでは残れないのが美術の世界だ。 》

 ネットの見聞。

《 この1年、大企業の儲けがどこにいったか(上位400社)
  利益は9兆円から18兆円に2倍
  役員報酬(1人当たり)は11%増
  株主配当総額は23%増
  労働者の給与総額は僅か1%増
  内部留保は23兆円増え313兆円(全体)
  利益が労働者に回らない。ここにこそメスを入れるべき病理がある! 》  志位和夫

《 銀座からは「町」という感じが失われつつある。巨大な消費空間の カタマリになった感じだ。 》 遠藤哲夫
《 ようするに投資対象と、投資回収の消費の「まち」でしかなくなって いるのだ。 》
 http://enmeshi.way-nifty.com/meshi/2014/07/post-08e1.html

《 《どんな人でも平和を希望しない者はない。しかし戦争といふ尊い犠牲が あつてこそ始めて真の平和が築かれるのであるから、われわれは平和のために 止むを得ず干戈を交へなければならぬのである。歴史は繰り返すといふが、 歴史の一面はたしかに人類の争闘史であつて、古い昔から今日まで戦争は絶えず 繰り返されてゐるのである。一国の存立興隆のためには、欲しない戦も しなければならぬのだ。》

  戦争肯定の理屈はいつもこんな調子である。  》 林哲夫

 ネットの拾いもの。

《 3位決定戦オランダvsブラジル。オランダ大勝←暴動、ブラジル勝って 狂喜乱舞←暴動。地獄だ。 》