「 サンドウィッチは銀座で 」

 昨日、グラウンドワーク三島の別組織の、私が役員を努める株式 会社の事務所開きに参列、テープカット。新聞各社が取材。毎日、 静岡新聞朝刊を視認。

 昨日、必要があって荒川洋治詩集『心理』みすず書房2005年初版 を手にしたのだけれど、一緒に持っていく辻原登『新版 熱い読書  冷たい読書』ちくま文庫2013年が、買ったばかりなのに見つからず 断念。夜になってさっと見つかった。この本には『心理』の評。 見つかるときには見つかるもので、友だちには贈ったけど自分用は 買ってないと思っていた平松洋子『サンドウィッチは銀座で』文春 文庫2013年2刷もひょいとあった。あれえ。ぱっと開いたページが 「夏まっ盛り、食べるぞ、うなぎ」。今でしょ。読んでみた。
 やっぱり面白い。どの章もすっきり、竹を割ったような印象。 気持ち良い読後感。

《 名産の落花生のパイやまんじゅうを発見していたら、うなぎ チーズケーキを目撃してすかさず味見。うなぎエキスが入って いるという話でしたが、言われなければぜんぜんわかりません。 》

 と、ハッキリ指摘も。「いただきます、社員食堂」では発行元の 文藝春秋の社員食堂。

《  黙々と箸を動かしながら、誰かがほつりと言う。
  「……昔はうまいって評判だったんだって」     》

 「いつもこころにオムライス」。

《 いじけた気分のとき、つくりたてのオムラスなんかそっと 出されたりしたら、肩を震わせて泣いてしまいそう。 》

《 それをスプーンの先で破ると……とろっとろの半熟卵。 それを無慈悲にも上下に押しひろげてゆくわけです。
  いたいけな町娘を手ごめにする悪代官だろうか、わたしは。
  プレーンオムレツが胸を露わにはだけてしまうと、いや、 まちがえた、 》

 オムライス、平成になって食した記憶がない。自分でつくった こともないなあ。

 「池袋で中国東北旅行」。

《  ご名答。蚕の蛹のから揚げです。これも東北名物だもの、 旅行の土産にぜひ。ほどなく運ばれてきた皿をじいっと凝視する 一同、ごくりと嚥下した生つばは悪夢と対峙するおののきのしるし だろうか。
   ぷっくり黒い艶。縞もよう。親指大のでかさ。(中略)
   ごめんね、すっかりふたりに皿を預けちゃって。ひいふう みい……薄目を開けてこっそり数えたら、黒い光沢を放つ物体が 五十三ケ。そのうち四十五ケを置き去りにしたまま、そそくさと 五目湯麺と坦坦麺に逃げ込んだふたりを責めることはできません。 》

 食べたくないな、いや見たくない。

 「サンドウィッチは銀座で」。

《 「サンドウィッチは誠意のかたまりである」 》

 銀座でサンドウィッチ、食べたことない。紹介されている名店に 行くか? と問われれば、多分行かないだろう。出費の上位には本、 美術、音楽が犇いている。

「座敷でゆるり」

《 にぎやかで遠慮がいらないのが入れ込みの座敷のよさなら、 小上がりは逆をゆく。しっぽりと水入らず、見えているのに見えて いないようなはんぶん密室の空気感があり、その曖昧な風情に 味わいがある。いってみればおとなの空間、人生の小劇場。(中略) しぜんに声もひそやかになる。ふと気がつくと、向かい合っている のに寄り添うかんじ。馴じんだようすに色気がある。 》

 ここはすぐにでも行きたい。遠くから秋元順子の「サマータイム」 が聞こえてきたり。……相手が要る。
 https://www.youtube.com/watch?v=p4Za5Re69Lk

 ネットのうなずき。

《 「神風特攻隊は国家的な狂気でした」ということをはっきりと 国のトップが明言することが、「命を大切にする教育」の第一歩 ですよ。 》 小田嶋隆

 ネットの見聞。

《 前に一人暮らししていた十年間はエアコンいっさい使わなかった ので、また一人暮らしになるとエアコン使うタイミングがわからない (とくにクーラー)。でも、エアコンも冷蔵庫もなかった夏があって、 あれはさすがに若かったと思う。 》

 学生時代の四畳半のアパートにはエアコンも冷蔵庫もテレビも なかった。電気釜はあった。何食ってたんだろ。

《 『ベン・ハー』のCGはすごい、と書いている学生がいて、 脱力する。 》

 実写世代のせいか、CGには馴染めない。どこか違う違和感。

 ネットの拾いもの。

《 便乗値上げを最近ではプレミアムと呼ぶらしい。 》

《 なんか、胸のすくような勢いで世の流れから取り残されてるな、と思います。 》