「賢者の贈り物」 

 台風接近。朝雨が上がって、それからは降ったり日が射したり。 雨上がりの蒸し暑さに、ちょっと外出しただけで汗だく。

 石持浅海『賢者の贈り物』PHP研究所2008年初版を読んだ。十 短篇を収録。ある出来事、課題を巡って、さまざまな選択肢、解釈が できる。さて、最良の回答は? ああでもない、こうでもないと悶々 とそれぞれの語り手は悩む。よくもまあこれほど多様な解決策を提出 できるものだ、とヘンに感心してしまう。悪く言えば、早く結論を 出せ。話をつないでゆく磯風鈴音という若い黒髪の美女につい曳き づられて読んでしまった。

《 彼女ほどの美人が真剣な顔で考え込んでいると、まるで彫刻の ような美を感じてしまう。 》

《 ひょっとしたら、と思う。僕自身に考えさせ、僕自身が答えを 導き出さなければ、妻がメッセージを送った意味がないと考えて、 議論を誘導した。そんな考えが心の片隅に残っていた。 》

《 その整った顔だちを見つめていると、ビールジョッキよりも むしろワイングラスの方が似合うような気がしてきた。彼女なら、 ディケムだろうがロマネ・コンティだろうが不釣合いではないだろう。  》

 磯風鈴音。小学六年生、高校生、大学生、フリーター、社員そして 一児の母。……私は何を書いているんだろう。

 小林旭唄う『黒い傷あとのブルース』を You Tube で視聴。内容は ちゃちだけど、愛くるしい吉永小百合がじつに印象深い映画だった。
 未練を振り払って去ってゆく小林旭
 http://www.youtube.com/watch?v=aw5CPx3suJU

   『現代短歌のすべて そしてピープル』(『短歌』7月臨時増刊号) 1977年を開く。

《  胸もとにちいさきほくろ見えてをり
      触れなばそこに傷をとどめむ  葛原繁

   思ひ出のなか返りくる面かげの
      ありありとして名を忘れゆく  上田三四二

   歩道橋にひとつとまりてありし傘
      こころに残る痣のごとくに   大島史洋

   旗は紅き小林(おばやし)なしてうつれども
      帰りてをゆかな病むものの辺(へ)に  岡井隆  》

 ネットの見聞。

《 IARC―JAXAの8月8日現在の北極海の海氷面積は6325923平方キロ メートルで、去年とほぼ同レベルで一昨年の1、5倍以上です。北極海から 氷が消えることは当分なさそうです。一方南極の海氷は今年の1月時点 (南極は夏)で依然として観測史上最大を維持しています。 》  池田清彦

《 原発はCO2を出さないので、温暖化を抑制できるというのは、 朝日新聞の嘘どころではない最大最悪の大嘘です。
  石破が朝日の悪口を言うのは、大嘘つきが自分事を棚にあげて、 小嘘つきを大声で非難しているようなものです。
  騙されないようにしましょうね。 》 池田清彦

《 1997年から地球の平均気温は横ばいあるいはやや下がっている という事実は、イギリス気象庁が1年半ほど前に世界の3000点の気温 データから解析した公式発表です。 》 池田清彦

《 被爆者「集団的自衛権、要らぬ」 首相「見解の相違」 》
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140810-00000002-asahi-pol

 ネットの拾いもの。

《 あー予感がする。駄作誕生の予感が・・・。 》