「化烏」

 前の道路では昨夜から露店の設置作業。朝も続き、昼前には見渡す かぎり露店の屋根屋根屋根。夏祭りだ。道を行く山車のお囃子に血が 騒ぐ。午後、友だちとひと歩き。暑い暑い、熱い熱い。女性だけの 山車はいいねえ。掛け声も華やぐ。
 夏祭りに三嶋大社の境内に入るのは生れて初めて。スマートボール、 輪投げそして射的などなど、昭和の香り豊かな露店が連なる。射的場 が何軒も。流行ってるんだ。本殿のお賽銭箱の前は長蛇の列。

 敗戦また終戦記念日。69年目。アフリカや中東には終戦記念日など ないだろう。あるとすれば独立記念日くらいか。戦乱の今を思う。 戦争が二度とないように、との天皇のお言葉。

 山下菊二の『あけぼの村物語』を東京国立近代美術館が購入した ことを知る。

 ネットの見聞。

《 60年代、70年代に活躍した私の好きな漫画家たち、岡田史子水野英子あすなひろし矢代まさこ、北島洋子、上村一夫宮谷一彦 ・・・、私が反応したのは、まずその「絵」、「線」の妙だった。

  モノトーンの世界で、皆、変幻する線の表情から生まれる世界の 深みがすごい。 》 福山知佐子

 上村一夫宮谷一彦の絵は見ていたが、水木しげるの貸本マンガの 簡明な人物描写が最も深く印象に残っている。高校生のとき古本屋で 入手した『化烏(ばけがらす)』はまんだらけに売却、桜井文庫 1975年で再読しているけど、じっくり見て驚いた。鼻の多くは6を 崩した、または左右反転した線。口はΩを縦にして崩したような線。 目は卵型に点「・」。なのに、なんという豊かな表情表現! 水木 しげるの独壇場だ。梶井純の解説から。

《 水木しげるはかれらに、なんと戦中・戦後をつらぬく一八年の 歳月を費して日本へたどりつかせるのである。一身を犠牲にして烏 になり、キノコになりかけた助手をのせてイカダを引っぱり続ける 福田博士の執念は、ムー大陸の秘密を人類に伝えなければならない というだけの愚かしい行為の意思表示にすぎない。 》

《 しかし、現実には、人間でもなければ非人間でもないかれらが、 象徴的な意味においても帰るべき「祖国」であった日本へたどりつく ことができたときになにがおこったか。そこには、かれらの意思を 評価するにたる回路などあるはずがないという、作者のペシミズムの 深淵が広がっている。 》

《 しかし、この作品も他の水木しげるの作品と同じように、 いわゆる悲劇仕立てで描かれたものではなく、また悲劇の本質がある としても、読者は一コマ一コマにどことなくとぼけた会話とおかしな 情景に出会うだけにちがいない。水木しげるにあっては、悲劇とか 喜劇とかいう語彙の使いわけは意味のないものだったのである。 》

 手元には古本で入手したあすなひろし『サマーフィールド』虫プロ 1970年初版。やっぱり惹かれない。宇野亜喜良の扉絵目的で購入。

《 放射性物質による国土と海洋の汚染、経済状態、隣国との外交。 全て既に破綻しているのに「中国怖いぞ―。殺されるぞ―」という 脅しに支えられて永らえてる政権。 》 藤岡真

《 昨年12月に仲井真知事が埋め立てを承認したために、工事が 本格化したが、当の仲井真知事は、「作業の一つ一つを僕に聞かれ てもどうにもなりません。防衛省に聞いた方が早い」と開き直り。 原発再稼働も同じだが、誰も責任を取らず、なし崩し日本です。 》  金子勝
 http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=79914

《 辺野古の新基地建設をめぐる「天王山」は、11月の沖縄県知事選だ。 安倍は知事選を前に、敢えて工事着工を強行した。いくら反対しようが 国はお前らを力づくで排除してでもやるぞ、抵抗しても無駄だと無力感 を与え、沖縄県民の意思をくじこうとしている。安倍は沖縄県民を、 主権者を、なめきっている。 》 ANTIWAR-Tokyo

《 安倍政権のいう「集団的自衛権」なるものは別に日本政府の軍事的 フリーハンドを意味するものではない。これから先、日本軍はアメリカ軍 との共同行動にいわば「下働き」として帯同するだけのことである。 》  内田樹
 http://blog.tatsuru.com/2014/08/15_0918.php

《 色々調べて痛感するのは、戦争というものは「しちゃいけない」だけ でなく「すると大損」なものだ、ということです。勝とうが負けようが 膨大な費用がかかって経済はボロボロ、人がバタバタ死んだり手足を 無くしたりして、帰還兵はPTSDで人生滅茶苦茶。これに見合うだけの メリットなど存在しません。 》 似鳥鶏(にたどり・けい)

 ネットの拾いもの。

《 スネを蚊に刺され痒くてたまらないのでとっさにウナコーワを 手にして塗り付けたが、それはスティックのりだった。 》