「ハイデガー拾い読み 」

 木田元追悼の意を込めて『ハイデガー拾い読み』新潮文庫2012年初版の前半を読んだ。 哲学関連の本は、時間がかかる。
 カントもハイデガーも未読だが、カントの『純粋理性批判』には誤訳があるという。

《 その「分析論」と「弁証論」のそれぞれの中心部に誤訳が残っているのである。 》 32頁

《 つまり、カントの時代には〈 Realitat(レアリテート)〉に〈実在性〉という意味は なかったのに、それを忘れ、そこに現代の意味を読みこんで誤解し誤訳するから、 こんな妙なことになるのである。それを教えてくれたのがハイデガーだった。 》 41頁

《 ハイデガーが教えてくれるまでは、誰もこんなことは教えてくれなかった。当然 これまでは、デカルトの〈 realitas obiectiva(レアリタス・オブイエクティヴァ)〉も カントの〈 objektive Realitat(オブイエクティヴェ・レアリテート)〉も いとも無造作に〈客観的実在性〉と訳されていた。これではなにがなんだかまったく 分からなくなる。 》 56頁

《 デカルトの『省察』やカントの『純粋理性批判』といった、百年近く読み継がれてきた 基本的テキストのなかでもっとも基本的なものの、それももっとも核心部に、こんな初歩的な 無知が残っているのだから、日本の哲学研究の水準も知れたものである。 》 57頁

《 おそらくハイデガーの頭のなかでは、アリストテレスライプニッツニーチェが、 形而上学の歴史のなかで、結局は無効に終わったにしても、形而上学を克服し、 〈生きた自然〉を復権しようと企てた数少ない人たちとして重なり合って見えるのであろう。 》  111頁

 ネットの見聞。

《 世の中には金儲けよりも大切なことがある。それは支援を求めている人を支援することだ。 》 内田樹
 http://blog.tatsuru.com/2014/08/19_0850.php

《 【原発無罪】福島東部をデッドゾーンにした優秀な東電幹部には幸せな老後が【負担は愚民に】

  勝俣恒久会長  →日本原子力発電社外取締役に再任
   清水正孝社長  →関連会社・富士石油社外取締役天下り
  武黒一郎副社長 →国際原子力開発の社長に天下り
  武井優副社長  →関連会社・アラビア石油の社外監査役天下り
  武藤栄副社長  →東電無報酬顧問→国際原子力開発の役員に天下り
  荒井隆男常務  →関連会社・富士石油の常勤監査役天下り
  高津浩明常務  →関連会社・東光電気の社長に天下り
  宮本史昭常務  →関連会社・日本フィールドエンジニアリングの社長に天下り  》

《 東京創元社ラッセル・ブランドン『ウィンブルドン』復刊に沸き立つTL。 》

 本棚から『ウィンブルドン新潮文庫1982年初版を抜いてみたが、今は読む気にならず、戻す。

 ネットの拾いもの。

《 「彼の家に行ったら、大量の本の山に仰天! しかも、古本や貸本、絶版になった本など マニアックなものだらけで、「懐古主義的でキッチュで素敵!」と思ったという。」 ← 思ってもねえこと言いやがってこの 》

《 Would you like to see my etchings?という台詞のように、コレクション (この場合はエッチング)を男女の駆け引きに使うのは昔からの常套でもある。 上記の英文を、『リーダーズプラス』は「女性をベッドルームに誘うきまり文句」 としている。 》