「神秘昆虫館」

 朝の陽射しが暖かく感じられる。長袖の秋。

 ミステリ作家芦辺拓のツイート。

《 『なぜ時代劇は滅びるのか』で思い出した、国枝史郎の自作『神秘昆虫館』 への言葉「ある人が僕に云った。『この作はジャズですね。この作を読んでいると 踊り出したくなります』と。そうだ! 僕もそう思う、この作はジャズだと」―― 時代小説が最先端の音楽を意識してたなんて今からは信じられまい 》

 国枝史郎(1887-1943)『神秘昆虫館』(1927年)講談社国枝史郎伝奇文庫1976年 初版を読んだ。勢いがついて一気に読了。ツイートの引用の続きを本から。

《 この作を読んで踊りださない読者はジャズという現代を風靡している音楽を 知らない非現代人だと云ってよい。そうして僕は思うのだが、大衆文学そのものが ジャズでなければ不可(いけ)ないと。生半可の大衆作家が、変にコダワッタ 芸術作品を書く。これは邪道だ。それを生半可の純芸術家が褒める。こいつは馬鹿だ。  》

《 シャン、シャン、シャンと鈴の音、カバ、カバ、カバと蹄の音。 》 「二十」章

《 シャン、シャン、シャン……カバ、カバ、カバ、この音ばかりが響き渡る。 》  同

 ブックオフ長泉店で三冊。坪内稔典(としのり)『カバに会う  日本全国 河馬めぐり』岩波書店2008年初版帯付、アーナルデュル・インドリダソン『湿地』 東京創元社2012年初版帯付、西村京太郎『終着駅殺人事件』双葉文庫1997年初版、 計324円。

 ネットの見聞。

《 いまカメラが出てくる話を書いているのだけど、そういえば フィルムカメラを使っていた頃、現像した写真を受け取りに行くときは ワクワクしたもんだな。懐かしいな。 》 道尾秀介

 使い捨てカメラを今も愛用している。撮り終わったので現像を依頼。

 ネットの拾いもの。

《 睦月影郎『永遠のエロ(ero)』帯「女の方はどうなの?」若き飛行兵長に迫る熟女── 》

《 お客さんは神様やって言うけど、うちの常連さんは半分くらい 仏様になってもうたなあ。 》

《 売り上げより年金のほうが多い。 》