歌野晶午『舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵』光文社文庫2013年初版を読んだ。 中学二年生の女友だちの語りで物語は進む。ストリート・ダンス好きな舞田ひとみは 冴えた推理力を見せる。この三年は人を大きく成長させる。世界も広がり、深くなる。 面白かった。彼女の三年後が楽しみだ。
白砂勝敏氏の新作『しるべ』の画像が公開。
http://ameblo.jp/steampunk-powerstone-art/entry-11933361045.html
私の拙論(8月27日)を再掲。
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写真が一瞬を切り取る芸術として成立して以来、絵画には時間(物語性) を取り込んだ表現を創出する道が見出された。味戸ケイコさんのいくつかの絵には、 そんな時間性(物語性)が多分、本人の自覚無しに織り込まれている。
二十一世紀の美術は、絵画であれ、立体造形であれ、時間性(物語性)を 取り込んだものだ、というのが、私の考えであるが、昨晩見た白砂勝敏氏の 新作木彫造形作品は、その私の考えを具現化した作品の一例と思える。
ニメートル超の作品は、主軸となる胴体(?)部分と頭部、突き出し部の 三つの木材からなる。主軸=胴体部分の底部の丸いかたちは、女性性を思わせる。 そこから頭部に至る主軸=胴体部分は、焔(ほむら)の如く湧き上がる生命力の、 力強くしなやかな表情を見せている。その上部に見られる深い節穴が、 あたかも老成した樹霊の眼のよう。氏もそれを意識して、 そこは樹霊の顔のように彫り込んである。その上に冠のように接合された木と、 顔の反対側に接合された、横に突出する一メートルほどの象の牙あるいは犀の角、 のような野太い木は一体となって、三日月のような曲面を描いている。その牙、 角の如きかたちの突撃的な表情。斧一振りの迫力である。
最下部のさらりと見える女性的なかたち、節穴を中心とした老顔、 そしてぐいっと駆け下るような印象の勇壮男性的な牙あるいは角のかたち。 それらの主軸たる胴の、上昇する生命力。四つの表情がキメラ(キマイラ)のように 接合合体している。
これは日本武尊(ヤマトタケル)だ。荒ぶる神。日本的樹霊性の新しい表現だろう。
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朝、曇天で涼しいのでそばの三つ石神社横を流れる源兵衛川両岸の石垣に生えている ヒメツルソバを引き抜く。晴れて暑くなってきて予定通り完了。一時間で45リットル ゴミ袋2袋。5ミリ足らずのサワガニがいた。風呂を浴びる。
午後、ブックオフ沼津南店へ自転車で行く。網野善彦『続・日本の歴史をよみなおす』 筑摩書房1996年3刷、ロアルド・ダール『ぼくのつくった魔法のくすり』評論社2005年 3刷帯付、岡本綺堂『鷲』光文社文庫2006年初版、東川篤哉『はやく名探偵になりたい』 光文社l文庫2014年初版、計429円。
途中の空き店舗がGUに衣替え中。ユニクロ→100円ショップのレモン→GU。
晩、雲に隠れて月は見えず……。
読書の秋、出版の秋だなあ、と新刊案内を見て嘆息。二千円以下の本でも購買欲を そそる本が何冊も。フラン・オブライエン『第三の警官』筑摩書房1998年→ 白水Uブックスやジャン=パトリック・マンシェット『眠りなき狙撃者』学研1997年→ 河出文庫のように復刊が目につく。良い著作は復活する。後者は未読だけど。
ネットの拾いもの。
《 そういえば湯川遥菜氏はどうなったんだ。 》