「夜のガスパール」

 昨日書き忘れたが、『ボードレール散文詩集』は「パリの憂鬱(全)」とある。 この『世界の名詩集』三笠書房1967年、全十二巻、別巻『世界の名訳詩集』二巻、 丸背は背革印度産羊革に金版彫版の金押し。これがおしゃれ、というか好き。本巻の 革は臙脂色、別巻は焦げ茶色。山室静編『世界の名訳詩集 II 』1967年初版のカラー 口絵にはポール・クレー、マネ、モジリアニにフェルメール『ひらき窓の若い女』。 この時期にフェルメールとは。古本を処分してもこのシリーズと『日本の旅 名詩集』 全五巻は手元に残すつもり。

 「パリの憂鬱(全)」の序文「アルセーヌ・ウセーに寄る」。

《 ここで君にささやかな告白をしなければならぬ。アロイジユス・ベルトランの、 あの有名な『夜のガスパール』(君と、私と、われらの友人二三とによって認められた 署は、すでに有名と呼ばれるべきあらゆる資格をそなへてゐるのではなからうか)を、 少くとも、二十回目に読み返してゐる時であった。 》

 ルイ・ベルトラン詩集『夜のガスパール』を、『世界名詩集15 ベルトラン  ランボー ロートレアモン平凡社1969年初版で読んだ。なんと感想を記そうか。 私にはなんとも理解の届かぬ詩篇だった。フランスの歴史に精通していなければ、 その面白さを味わえぬ気がする。ジャック・カローの銅版画を観賞していた私に しても。

 ネット注文した能村潔詩集『日蝕』薔薇科学社1957年が届く。千円也。深沢幸雄の 装幀が目当て。口絵は深沢幸雄『再誕残像』。二点とも『全銅版画作品集』りゅう 画廊1981年には未収録。手描きかも。それにしても、上記『世界の名訳詩集』と 同じ大きさとは。

 ネットの見聞。

《 拙書「親のための新しい音楽の教科書」について、ご議論をいただいております。 私は西洋音楽を否定しているわけではありません。モーツァルトもジミヘン程度の 才能は持っていたと思います。 》 若尾裕

 北一明『ある伝統美への反逆』三一書房級の爆弾かな。美術にもこういう本が 出ないかなあ。

 ネットの拾いもの。

《 ぎゃー! さっき送ったメール、「死霊を転送いたします」になってた!!! 》