「探偵・花咲太郎は閃かない」

 入間人間(いるま・ひとま)『探偵・花咲太郎は閃かない』メディア ワークス文庫2010年5刷を読んだ。ライトノベルだけれどこんな表記。

《 これを一字一句、読み零さない読者がいるんだろうか。 》 48頁

 零にルビ(こぼ)がない。意外。そう思うのは私だけか。

《 「お褒めに与り恐悦至極。相性いいんだってさ、ぼくたち」 》 57頁

 与り=あずかり。

《 わざわざ階段を経由した所為で汗だくになって現れた 》 88頁

 その後所為(せい)が頻出。好きなんだな、所為。

《 髪に指を巻きつけて弄っているエリオットが、 》 92頁

 「弄って」。辞書。「あしらって」と読ませるようだ。

《 「ぼくもあんたに懐く自分を想像して死にそうですよ」 》 108頁

 懐く=なつく。

《 一人余裕綽綽に日本統一の勢いで勝ち進んでいる 》 161頁

 綽々=しゃくしゃく。

 それはさておき。ライトノベルの歴史をまとめたウェブサイトでこれを 知って読んだのだけど、肩透かしの読後感。1995年の高畑京一郎タイム・リープ  あしたはきのう』メディアワークスは面白かったけど。
 http://matome.naver.jp/odai/2140717491204383601

 朝、源兵衛川上流部の石垣に群生しているヒメツルソバを抜く。45リットル ゴミ袋一杯になった一時間弱できょうの作業終了。重い。一汗かいた。
 コーヒーを淹れて飲み始めたところへ知人が軽トラで来訪。いつもどおり 車の脇で立ち話。最近の地元の展覧会がひどいという感想(批評?)を聞く。 部屋に戻るとコーヒーは当然冷めている。まあ、これもおつきあい。

 午後、ブックオフ長泉店で二冊。田中啓文鍋奉行犯科帳』集英社文庫 2012年初版帯付、宮田珠己『旅の理不尽 アジア悶絶篇』ちくま文庫2011年 3刷帯付、計216円。

 坂東壮一の銅版画『闇のアルテミス』1978年を鑑賞。直に観る。黒線と 黒面の深々とした深みと奥行き。一気に惹きつけられる。
 北一明の耀変茶碗を手に乗せる。間然するところのない燦然たる宇宙的美。 陶然。己の幸運を思う。