本棚から『毎日グラフ』別冊1964年10月1日号を取り出す。特集「夢の超特急 開通記念 日本の鉄道・世界の鉄道」。新刊本屋で買ったが、当時はまだ中学生。 表紙に「ソノシート 東京─新大阪 音の旅 時速200キロ」とあるので、 レコード棚を漁ったら出てきた。33回転だ。聴いてみる。へえ〜。
面白いもので、五十年近く開いていないのに記憶に鮮やかな写真が三枚ある。
《 イタリアご自慢の特別急行「セッテベロ」号は世界の観光客が乗るので知られて いる 観光立国をとなえる国だけにビュッフェはとくにゆきとどき 酒類は欧州の おもな産地のものが集められている 》 47頁
酒を注がれているゴージャスな美女に釘付け。ビュッフェにあこがれた。念願の 食堂車に入ったのは東北本線を走る特急列車で、あれから十年が過ぎていた。 コーヒーを飲みながら車窓を流れていく景色を眺めた。それだけ。
深く印象に残っているあと二枚は、ひとつはカラー折込ページの次の白黒写真。 「時速200キロの頭(ヘッド)」と題された一ページ大の先端部の写真。
《 ”ひかり”号の前ではツバメすら身を避けることはできない そして一瞬 赤い煙となって消えていく 点々と見えるのは無数のコン虫の死がい 虫もまた 身をひるがえすすべもない 品川基地で 》
もう一枚は「人とドロとの戦い 難工事の跡」という写真の中の一枚。
《 苦労したのは浮島ケ原だけではなかった 愛知・笠寺付近もその一つだった 頭の上を走る自動車道の下を抜けなければならぬため 1000分の20急勾配になった 地点である 写真で見るとガクンとそこだけが落ちくぼんでいるのがわかる 》 40頁
線路がS字型に曲がり凹んでいる曲線の形状に惹きつけられた。曲線への偏愛は この頃から顕著だったか。なお、浮島ケ原は、沼津市と富士川の間の湿地を言う。
《 線路には美があるな〜、といつもおもう。 》 水仁舎
http://suijinsha.jugem.jp/
同じ事を思う人がいた。水仁舎制作の書票集『SOICHI BANDO EX LIBRIS』の 坂東壮一氏から蔵書票援用の絵葉書が届く。嬉しい言葉。
朝、源兵衛川中流、眼鏡橋から下流の時の鐘橋までの五十メートルほどに 群生のヒメツルソバを引き抜く。45リットルゴミ袋三袋。
ブックオフ長泉店で二冊。有栖川有栖『小説乃湯 お風呂小説アンソロジー』 角川文庫2013年初版、パトリック・ジュースキント『香水 ある人殺しの物語』 文春文庫2003年初版、計216円。
北海道土産にもらったチョコレートを賞味しながらネットの画像を見たら、 オードリー・ヘプバーンの『ローマの休日』の一場面を使ったチョコレートCM だった。
http://www.youtube.com/watch?v=Z6HKWuZPrdU
ネットのうなずき。
《 小学生の学級の定員を引き上げないといけないほど財政が苦しいなら、 まずは政党助成金を削れよ。 》 kazukazu88
O・ヘプバーンは永遠でいいから、安倍政権は。