「 1969 MILES - FESTIVA DE JUAN PINS 」

 若い知人女性がに頼まれてセネガルの歌手ユッスー・ンドゥール YOUSSOU N'DOUR のCD三枚『 THE LION 』1989年、『 SET 』1990年、『 THE GUIDE ( WOMMAT T ) 』1994年を貸す。彼女、トランペットを練習しているとか。 で、何かを、と追加の依頼。クラシックの山本英助『 THE WINDOWS 』1997年と ジャズのマイルス・デイビス『 1969 MILES - FESTIVA DE JUAN PINS 』 1993年を手渡す。後者は1969年のライヴ録音。初めて聴いた時はマイルスの 吹き荒れるトランペットのド迫力にたじろいだ。今ならフムフム。当時は 軟弱者だったわ。今は鈍感者。
 マイルス・デイビス=トランペット、ウェイン・ショーター=テナー、 アルトサックス、チック・コリアエレクトリック・ピアノ、デイヴ・ ホランド=ベース、ジャック・ディジョネット=ドラムスという黄金の 五人編成。マイルスが激走し、煽る煽る。火傷しそうな過激な演奏だわ。 小川隆夫の解説から。

《 けれどそうしたときですら、マイルスおよび彼のグループの演奏は、 とてつもなく挑戦的で創造的だった。マイルスは前人未到の領域へと再び 踏み出したのである。その瞬間をドキュメントしたものがこの作品という 訳だ。そしてこの時代に残されたライブは、多くの人によって伝説的に 語り継がれるものとなった。その演奏が今回いよいよベールを脱ぐことに なる。 》

 マイルス・デイビスジョン・コルトレーン(サックス)を較べる。 どちらも迫力ある密度の濃い、濃すぎるほどの演奏だ。マイルスが突破口を 開かんと爆走するのに対し、コルトレーンは同じ爆走でも求道的、求心的。 どちらも暴走はしない。拡張するマイルス。一点へ向かうコルトレーン。 地平を開く水平のマイルス。天上へ向かう垂直のコルトレーン。マイルスの 方法を継ぐ者はいるが、コルトレーンの志を継ぐ者は現れなかった気がする。 コルトレーンの賛美者はいるが。
 ところで、マイルス・デイビスはマイルス、ジョン・コルトレーンは ジョンではなくコルトレーン。まあ、デイビスもジョンも沢山いるから。 いっそのことナベサダ渡辺貞夫)、ヒノテル(日野皓正)のように、 ルスマイ、ジョンコレなら面白かったなあ。

 赤瀬川原平が亡くなった。いいときに展覧会。合掌。
 http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2014/1028/1028.html
 https://www.city.machida.tokyo.jp/bunka/bunka_geijutsu/cul/cul08Literature/tenrankai/20140729084609197.html

《 彼の赤瀬川さんの著書は小説も含めどれも面白いんですが。 「東京ミキサー計画―ハイレッド・センター直接行動の記録 」と 「超芸術トマソン 」(共にちくま文庫) は中でもマスト。 》

 私は梱包芸術の『宇宙の缶詰』1963年と『超芸術トマソン』がベスト2。 どちらも誰も気づかなかった発想だ。

 東京・西荻窪の盛林堂から平井功『爐邊子(ロペス)随筆抄』初版 2500円が届く。爐邊子は、LOPEZの当て字。功は「こう」か「いさを」。 正岡容(いるる)の弟。といっても正岡容を知る人は少ないだろう。 私自身、正岡容寄席小説集『圓太郎馬車』河出文庫2007年初版を 持っているだけ。

 ブックオフ三島徳倉店へ自転車で行く。小池昌代『タタド』新潮社 2007年初版帯付、島田荘司写楽 閉じた国の幻』新潮社2010年5刷 角川春樹中上健次『俳句の時代』角川文庫1992年初版、高木彬光 『神秘の扉』角川文庫1982年初版、デイヴィッド・ゴードン『二流 小説家』ハヤカワ文庫2013年3刷、計540円。『写楽 閉じた国の幻』は 文庫を持っているけど、単行本の大きい字で読みたくなった。 『二流小説家』は持っていた。108円の無駄買い。

 朝、源兵衛川中流、時の鐘橋〜源兵衛橋〜下源兵衛橋の両岸石垣の ヒメツルソバを除去。水辺近くなので、水が切れる土嚢袋二袋に詰める。 これで上流から下源兵衛橋までの作業は終了。やれやれ。

 ネットの見聞。

《 安保闘争のビラとかも海外の大学が蒐集しはじめてるし、 》

 ギクッ。まさか海外が注目するとは。アジビラのファイルをじっと見る。