「 園芸上手 」

 パソコン左側の本棚に掛けてある絵を、土門拳だったか撮影の白黒写真、京都禅林寺の『見返り阿弥陀仏』に替える。ネットにはカラー写真など沢山あるが、この写真の優しく気品のある表情に匹敵する画像は見当たらない。

 昨日の毎日新聞読書欄、村田靖子の一文が心に残った。

《 ひとつの時代が終わり 、人生のひとつの段階が終わる。そして社会も 人間も新しい局面をむかえる。 》

 一日の誕生日を過ぎてからどうも気力がしぼむ。回顧気分に陥る。昨日、 四半世紀前に本になった拙論を転載したが、これは源兵衛川を再生させて、 商店街を振興させようと企てたけれど、誰も乗らず、非力を痛感、「遺書の気分で」書いた懸賞論文(佳作で五万円)。本ならばいつか誰かが 読むだろうと後世へのほのかな希望を抱いていたけれど、そんな万に一つの 可能性よりも、ネットに挙げたほうが手っ取り早いと、せっせと打ち込んだ。
 振り返る暇などないわい、とずっと粋がっていたけれど、季節のせいか 来し方をふと振り返り、行く末を考えてしまう昨今、事情があってずっと放置していた二昔前の店の時の大量の什器を今、やっと処分しているが、什器の瘴気に当てられての低空飛行気分か、と気づいた。近々処分終了。 断捨離だ。しかし……本は断捨離とは無縁ブツ。

 ネットを巡っていると、読みたい本が雲霞のごとく押し寄せてくる。 どれもこれもイチオシ、見逃せない、おもしろい、とあるから困る。新刊なら じゃあ、今度また会いましょう、だけど、古本となると気になる。再刊(復刊)で話題のラッセル・ブラッドン『ウィンブルドン新潮文庫1982年初版、マーサ・グライムズ『「禍いの荷を負う男」亭の殺人』文春文庫1985年初版を本棚から取って、まだ読む気にならん、と戻す。獅子文六『娘と私』がちくま文庫で出たので、『獅子文六全集 第六巻 娘と私』朝日新聞社1968年初版も手に取るが、これも見送り。またこんな話題も。

《 ストラングル・成田さんから、「園芸上手」のR・C・クックはルパート・クロフト =クック(レオ・ブルース)とは別人とのご指摘あり(出典『ミンコット荘に死す』 巻末のレオ・ブルース著作リスト)。あのブルースがこんな変な話を・・・という驚きは残念ながら幻となってしまった。 》 藤原編集室

 「園芸上手」は『イギリス怪奇傑作集』福武文庫1991年初版に収録。カバー裏の 作家紹介には「R.C.クック(生没年不明)」。老骨に鞭打たず(痛いから←違う)読んでみた。冒頭。

《 夫に先立たれたボウエン夫人は高齢に近づいていた。七十五歳、いや八十歳だったろうか。 》

 いやあ、コワイコワイ。

 曇天、小雨。一昨日購入した58×58センチの電気マット床敷きが気持ちよいので、小さいものを買いに行くと売り切れ。清水町のホームアシストへ。40×40センチを購入。早速椅子に敷く。これはいいわ。歳をとると寒さが身に沁みる。シミジミリイ・ジジイ。

 ネットの見聞。

《 谷崎潤一郎全集(中央公論新社)内容見本に一瞬気持ちが動く。 》 藤原編集室
 http://www.chuko.co.jp/special/tanizaki_memorial/zenshu.html
《 全集はともかく『細雪』の愛蔵版が出ないかな。文庫本ではなくハードカバーで読みたい、持っていたい、というファンは少なくないのでは。 》 藤原編集室

 よくわかる。本棚には谷崎潤一郎全集第十五巻『細雪』1973年普及版1500円。帯付函入りの布装本。新刊で購入した記憶。嬉しいねえ、この本は旧字体だ。長編小説は一巻本で読みたい。しかし、まだ読んでいない。未だ機は熟さず、で四十年。

 ネットの拾いもの。

《 今日こそは買物に行かねば。行かねばの娘。 》

《 小泉純一郎自民党をぶっ壊す!
  安倍晋三 →日本をぶっ壊す!  》

 私的備忘録。

 福島原発の被災。
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014111302000128.html
 http://echo-news.net/japan/usnrc-disclosed-fukushima-criss-proceedings
《 日本原燃、再処理工場で煙 青森、六ケ所村 》
 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014111501001335.html

《 社民党共産党は無所属の山本太郎氏らとともに、14日、参議院特定秘密保護法を 廃止するための法案を提出した。他の野党は呼びかけに応じず、衆議院選挙統一名簿の議論に 集中。 》 ジャーナリスト 田中稔