「 ふしぎの国の犯罪者たち 」

 山田正紀『ふしぎの国の犯罪者たち』扶桑社文庫2009年初版を読んだ。昨日の 「襲撃」に続く「誘拐」「博打」「逆転」の四篇から成る。ミッション・インポシブル。 どれもスンゲエ面白かった。「誘拐」は、誘拐犯から金の受け取りを役を言い渡される。 「博打」は、マカオでいかさま賭博を強要される。「逆転」は、盗んだダイヤを美術館へ 戻す。そんな無茶な。不可能を逆手に取って成功へ導く。しかし、どんでん返しの真相が 暴かれたとき、怒りの鉄拳が振り下ろされる。深い余韻の読後感。密度が濃い。 この形式の発展型が、「女囮捜査官」シリーズの五冊といえよう。

 カバー裏に「昭和ミステリ秘宝 好評既刊」として22冊。所持は16冊。未所持は 戸川昌子『火の接吻』、泡坂妻夫『斜光 /黒き舞楽』、鮎川哲也『翳ある墓標』、 島田一男『古墳殺人事件』、高木彬光『初稿・刺青殺人事件』、都筑道夫『東京夢幻図会』。 どれも他の本で所持している。日下三蔵の解説によると、小林信彦紳士同盟』『紳士同盟 ふたたび』は単発の扶桑社文庫で刊行。これも元本を所持。みな昭和ミステリのお宝だ。
 http://homepage3.nifty.com/DS_page/list/hihou.htm
 この詳しい解説を読むと、未所持の文庫も求めたくなる。

 ネットの見聞。

《 人間の記憶は、自分でも気づかないうちに変容される、ということは、特に近年、 自身も身をもって実感しているが、例えば、今、自分が気に入っている作品は、昔から 気に入っていた記憶があっても、果たして本当にそうだったか?という疑問が残ってる。 とすると、簡単な感想でも、書き残すのは大事か。 》 babby

《 “廃虚感”がたまらない…「マンポ」に魅せられ全国探訪する男性 》
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141114-00000568-san-cul
 源兵衛川の水の散歩道では二本の道路橋の下をくぐる。鉄道橋の下をくぐることも できる。川を案内するとき、希望者は川に入って橋の下をくぐる。 川は橋から見下ろすよりも川に入って見上げるほうがはるかに面白い。好きなマンボの CDをかけようと探すが見つからない。次善の策で『マンボ・アット・ザ・パレイディアム』 ボンバ・レコード1991年をかける。1940年代〜50年代、黄金時代の日本編集版。ニューヨークの 夜を、東京の深い夜を彩った大人の色香がプンプン。今じゃ体験できない雰囲気。

 ネットの拾いもの。

《 人生でもっとも無駄な日は一度も笑わなかった日だ(シャムフォール) 》