「 夜行 」

 足立元『前衛の遺伝子  アナキズムから戦後美術へ』を少し読み進める。 なかなか面白い。風邪から恢復途上なので引きこもり。養生養生。

 ネットの見聞。

《 英仏露の3か国語などに堪能な翻訳家で、岩田宏の名で詩人としても活躍した 小笠原豊樹さんが2日、死去した。82歳。告別式は近親者で済ませた。 》
 http://www.yomiuri.co.jp/culture/20141204-OYT1T50066.html?from=tw

 岩田宏詩集『最前線』青土社1972年初版収録、「夜行」冒頭。

《 三島由紀夫が死んだ日の夕方、私は都心の始発駅から旅に出た。 》

《  「いやな感じだな」
   「俺も気持ち悪かった」  》

《  「俺たちも一つ作るか、楯の会じゃなくて横の会でも」
    笑い声。
   「横の連絡を大いに密にしてな」
    笑い声。
   「それで、どこに乱入する。飲み屋にか」
    笑い声。
   「腹を切っても自腹を切るだけじゃな」
    笑い声。                       》

 小笠原豊樹の翻訳ではジョン・ファウルズ『魔術師』、アーウィン・ショー 『緑色の裸婦』、ロス・マクドナルド『さむけ』、ジャック・プレヴェール 『プレヴェール詩集』などが印象深い。プレヴェール「夜のパリ」。

《  三本のマッチ 一本ずつ擦る 夜のなか
   はじめのはきみの顔をいちどきに見るため
   つぎのはきみの目をみるため
   最後のはきみのくちびるを見るため
   残りのくらやみは今のすべてを想い出すため
   きみを抱きしめながら。                》

《 『これが教養だ!』フェア。 》
 http://www.kadokawagakugei.com/sophia/index.php#viewer

 読了本は八冊。持っていて未読は十七冊。

《 だから、政府を倒そうと思ったら、政権批判じゃなくて、 政権に投票している人の考えを変える活動しなくちゃ意味がない。政権にいる人は 批判なんて折り込み済みだから、カエルの顔にションベン。 》 阿川大樹