「 前衛の遺伝子 」

 足立元『前衛の遺伝子  アナキズムから戦後美術へ』ブリュッケ2012年2刷、 前半を読了。面白い。とりあえずメモ。

《 大きくいえば、近代日本の前衛芸術の歴史は、アナキズムを起源に持ち、 アナキズム共産主義が複雑に絡みつつ反発し合う軌跡でもあったのだ。 》 18頁

《 久板卯之助(一八七八〜一九二二)は、(中略)雪景色を描くために伊豆の 天城山に登山して凍死してしまう。 》 71-72頁

《 だが、黒輝会の活動を仔細に検討していくと、現在の美術の視点から見れば 彼らこそむしろ先鋭的な表現行為の正統であり、これまでの美術史の中での位置づけ、 あるいは美術史と政治史(労働運動史)の枠組み自体を変える必要にも迫られるだろう。  》 74頁

《 しかし、大同団結したというのはあくまでボルシェビズムにとっての美術史であって、 そこから排除され、あるいは最初から団結に関わろうとしなかったアナキズムの美術家たちが いたことを忘れてはならない。 》 144頁

《 芸術においては、イデオロギーの曖昧さがもたらすものを肯定的に捉える必要がある。  》 146頁

《 しかし物事とは、簡単に見える中心においてよりも、ときには異質なものとの 境界においてこそ、本質を規定する要素が潜んでいるのではないだろうか。 》 148頁

 昼前、豆州楽市の直営店開店へ駆けつける。知人女性が慣れていないので呼び込みをする。 お客ぞろぞろ。何組かの客が『ごめんね青春!』のロケ地巡り。一家族を途中までご案内。
 http://my.shadowcity.jp/2014/12/-open-ssk.html

 ネットの見聞。

《 進む東京の再開発 背景と課題 》
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141205-00000004-wordleaf-soci

 飽くことを知らぬ東京の再開発。狭い都区内での生存をかけた競争。それを一県置いた 地方=静岡県から遠望すると、箱根山の向こうの騒々しさよ。この四半世紀、私の知る限り 三島市では三つの再開発計画がつぶれた。一つは自宅を巻き込んだ再開発ビル計画。私は それに協力しないただ一人だったようだ。いろいろあってつぶれた。二つ目は三島駅南西の 私有地に高層ビル建築計画。知人の土地だけに心配したが、構想だけで立ち消え。もう一つは 三島駅南東側の下駄履き高層マンション計画。三島市もかんでいたが、反対運動を起こす前に 頓挫。つぶれた事情はそれぞれ別だが、つぶれてよかった。道路が狭い三島中心部。 片側一車線で「大通り商店街」と称するんだから。車には不便。歩くには困らない。 軒を連ねる小さな店。東京とは真逆の開発。少しの資本金で自分の店を構えることができる。 失敗しても損失は少ない。家並みの間を隠れるように流れる農業用水路。見上げれば富士山。 ある意味奇跡の街。地方都市のひとつのあり方かもしれない。それは源兵衛川の再生から始まった。 そして今、市街地の周縁部、農山村地帯の活性化事業へと広がっている。何年も前から 手がけているが、その実績を見て行政が動き出した。

《 今年の週刊文春ミステリーベスト10の国内部門で、下村敦史さんの 『闇に香る嘘』が2位にランクインしました! 》 講談社 文芸ピース出版部
 http://book-sp.kodansha.co.jp/topics/yaminikaoruuso/

 知らない作家のはずだ、江戸川乱歩賞受賞作家だった。五回目で受賞とは。

《  吸い込んでゆくシュレッダー候補者は笑顔のままで千切りになる  》  木下龍也

 ネットの拾いもの。

《  ひどい悪夢にうなされて今日は一日おとなしくしていよう  》