「狂人の太鼓 」

 やっと探し出したリンド・ウォード『狂人の太鼓』国書刊行会2002年初版を再読。 といってもこの本、1930年にアメリカで出版された「文字のない小説」。

《 奴隷商人の父親がアフリカから持ち帰った太鼓は、一家に何をもたらしたのか。 父の教えを守り、書物に埋もれた学究生活を続ける男とその家族を次々に見舞う 恐るべき死と災厄。グロテスクな想像力にあふれた120枚の木版画で語られるこの 「小説」には、文字が一切存在しない。読者は絵を1枚ずつ丹念に読み解くことによって、 “知”に憑かれた主人公に下された過酷な運命を、ひとつひとつ辿っていくことになる。 強烈な明暗対比と鋭い描線で読書界に衝撃を与えた特異な天才画家ウォードの “文字のない小説”。  》

 上記の紹介文を頼りに辿ってゆく。しかし当時の服装、風俗等を熟知していない身には、 解釈に戸惑う箇所が以前同様に頻出。そちらはさておいて、大胆な構図と鋭い彫り込みの 鋭角的な描写に関心が向く。日本で言えば、小栗虫太郎黒死館殺人事件』の松野一夫の 挿絵を冷徹に鋭くしたような。ただ、松野一夫の絵は木版画ではなく、引っ掻いて描いている。

 ネットの見聞。

《 イーヴリン・ウォーピンフォールドの試練』(Uブックス近刊)の作者紹介欄に The Loved Oneを挙げたいと思ったが、『囁きの霊園』『愛されたもの』『ご遺体』と 三つもある邦題のどれを採るべきか迷った挙句、早川にも岩波にも光文社にも拠らない 非武装中立を貫いて載せないことに。 》 藤原編集室

《 あまり知られていませんが、さらに『華麗なる死者』(主婦の友社)という訳題も ありますしね。 》

 これだから外国文学の翻訳書は困る。題名がこれだけ違うと、本文もかなり違って いるだろうと思うが。

《 安倍総理のコマーシャル、この道しかない!民主主義とは沢山の道を探し議論しながら 最良の選択をするものだ。この道しかない、軍国主義か。 》 立川志らく

《 国民が立ちあがる覚悟がなければ、民主主義と言うのは如何に脆いものであるか、 つくづく実感。理解できる人は安倍政権ではっきり認識したと思う。 》  TertuliaJapon

《 現代日本社会では「対米従属的である人間の方がそうでない人間よりも政官財メディア どの世界でも出世できる仕組み」が完成してしまった。だから、おのれ一身の立身出世を めざす人間は、ほとんど自動的に対米従属のしかたを身につけ、「買弁」的メンタリティを 内面化してゆく。 》 内田樹
 http://blog.tatsuru.com/2014/12/05_0858.php

《 速報:特定秘密保護法は午前0時、施行された。 》

 ネットの拾いもの。

《 壁丼。つゆだくで。 》