「 古本極楽ガイド 」

 岡崎武志『古本極楽ガイド』ちくま文庫2003年初版を読んだ。気軽に読めるようにと、 心がけて書かれている。気軽に読めるけれど、中身は満タン。次を読みたくなる。

《 初版本、稀覯本の類を、背を揃えて本棚にびっしり並べて悦に入るようなことは、 おそらく一生ないだろう。 》 14頁

 平成になってからはそんな夢は持たなくなった。

《 古雑誌は、どこか、一カ所でも読めるところがあればそれでいいのだ。 》 71頁

 なので、捨てられずにたまってしまう。

《 本の処分法は、整理したいと思うなら、金にすることはあきらめなさい、ということですね。 あなたがいらないと思った本は本屋もいらない。 》 193頁

 だからブックオフはありがたい。ブックオフがない昔、古本屋へ紙袋に入れた本をくれていた。

《 古本には古本としての、年を経ればまったく別の価値の大系が生まれるということを 知った方がいい。 》 195頁

 二十世紀は「おんなこどもの本」は均一本にもならない処分本だったが、海月書林から火がついて、 プレミアム価格の本がぞろぞろ。水木しげるの貸本漫画も高騰。次に何が騰がるの? と 聞いてくる人がいる。四十年余り前、二十一世紀を見越して水木しげるの資本漫画を買っていたが、 これからは一部投機で動くものはあろうが、本全体では最早高騰現象はないと思う。 それよりも今は美術品。現在の価値はおかしいと思うから。大部分は値崩れすると予想している。

 午後、グラウンドワーク三島の作業で、三島市南端、松毛川の放置竹林と葦の刈り取りに 大学生たちと汗を流す。日没で終了。短い時間だったけど、成果に驚く。

 ネットの見聞。

《 訳者の山形浩生さんが、ピケティの例の本は分厚いのを全部読まないでも、 雑誌とかの要約を読むだけで基本的には大丈夫っていってたよ 》 T屈男

 昨年末、知人が図書館から借りた『21世紀の資本』を見せ、二週間で読めるかなあ、 と心配していた。二週間が過ぎた。終わらんだろう。

《 NHKのニュース番組が、そのまま信用できなくなっていることが、何とも悲しい。ニュースの選択、 報道の仕方、コメントの入れ方すべてに、ジャーナリズム精神とは別の思惑によるバイアスや、 政治的な忖度が働いていると感じてしまう。いい番組が多いのに残念。 》 平川克美

 ネットの拾いもの。

《 キャバクラの呼び込みのおにいちゃんが『実写版 峰不二子 どうですか〜』って声掛けてて不覚にも笑ってしまった。 》

《 「泣ける本を教えてください」と言われる事がしばしばある。本を読み、感動して泣く事は大いに結構だが、 泣く事を前提とした読書は浅ましく、私は賛同しかねる為、答えに困るのである。どうしても本で泣きたいならば、 広辞苑で顔面を殴ってもらうのが確実である。 》

《 まあ、肝心の我々が、脳や人生のバージョンアップがそもそもできないわけですが。 》