「 怒りの菩薩 」

 陳舜臣(ちん・しゅんしん)が亡くなった。気になっていた『怒りの菩薩』集英社文庫1985年 初版を読んだ。元本は1962年の刊行。日中戦争が終わり故郷台湾へ帰る新婚夫婦を待っていたのは、 新妻の中国で死んだと思われていた兄が帰郷し、時を置かず殺されるという痛ましい事件。 台北からバスで二十分ほどのところにある新妻の故郷、菩薩庄の菩薩山での凶行だった。 誰が何のために? 背景には戦時中の日中の諜報機関が絡んでいるらしい。

《 台湾という風土を最大限に生かし、日中戦争という歴史の襞のなかにうごめく人間の相克を、 見事に描き出している。 》 伴野朗「解説」より

 台湾の伝統的な風俗を楽しみながら読める。よく読むと、その後の政争の芽がここかしこに。

 ネットの見聞。

《 「この機会に,満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を 考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています」この天皇陛下の新年の言葉、重い。 とくに、「満州事変に始まるこの戦争」という部分が重要な意味を持っている。 》 平川克美

《 安倍首相は、天皇、皇后両陛下が出席した「阪神・淡路大震災20周年追悼式典」を欠席し、 その間、訳が分からない中東歴訪に出発し、日本国内の介護報酬を減額して中東支援に3000億円 ばら撒いた。。。その結果がこれですかい。 》 徳永みちお

《 イスラム学者・中田考氏の提言「2億ドルの身代金の代わりに、イスラム国の中の 難民支援のための物資を赤新月社を通じて支援することを、イスラム国側へ提案したらどうか」 は非常によいアイデアだと思う。日本政府はぜひともイスラム国とパイプのある中田氏の助けを 借りるべきだ。 》 想田和弘

 ネットの拾いもの。

《 「男がクレーン車に乗って二階の女性にプロポーズ。誤って隣家の屋根を破壊。 しかし、返答はイエス」(米) 》

《 しぶとく生きている死語を集めてみるかな 》