『 日本造形史 』つづき

 水尾比呂志『日本造形史  用と美の意匠』武蔵野大学出版局2002年初版2010年6刷を 読了。後半第二部は「宗教の造形」。

《 原始信仰としてのアニミズムから発展した日本の神は、産霊神(むすびのかみ)と呼ばれ、 自然の万物に宿って生産力創造力を発揮させると考えられた。 》 「第二章 神道の造形」 188頁

 産霊神(むすびのかみ)。懐かしい。半村良『産霊山秘録』早川書房1973年。 見知っているのに読み方が違う漢字が頻出。いくつかを。

 摩耶夫人 まやぶにん 200頁、法衣=ほうえ 天衣=てんぬ 腕釧=うでくしろ 210頁、 弁財天=べざいてん 食堂=じきどう 迦楼羅=かるら 218頁、粘葉綴=でっちょうとじ  220頁、三昧耶=さんまや 金剛杵=こんごうしょ 227頁、悉雲文字=しったんもじ  修法=ずほう 229頁、偈頌=げじゅ 256頁 頂相=ちんぞう 257頁などなど。

 第三部は「作家の造形──美術家の系譜──」。画家、書家、彫刻家と工藝家、茶匠と花匠。 どの章も人名頻出、疲れる。この前MOA美術館で観た尾形光琳について。

《 画家として立った光琳の最大の関心は、私淑する先人宗達の画業で、宗達風を模し研究を 重ねるとともに、それに対抗し超える自己の世界を築く意欲に燃えたと思われる。その方法は、 着色画では装飾画面としての造形性の強調、水墨画では軽妙な線描と風刺的な表現によって 行われ、確かに宗達とは異なった画境を開拓するに至った。又、宗達のおおらかな人間性に 比べて、光琳には複雑な陰翳を含んだ性格が認められ、それが元禄の時代相と絡み合って、 画面の感情表出を近代的なものにしている。 》 288頁

 うなずける。その時に観た色絵藤花茶壺の野々村仁清について。

《 その轆轤と上絵付の技術において、名人と称されるが、美術性には弱点が目立つ。 》  329頁

 これまた同感。

 早朝、ドカンと地震。そのまま収まるので再び睡眠。

 朝、知人の来訪で起こされる。家の前で彼の現代美術の御託を聞いてあげる、一時間半ほど。 私の知らない美術家の作品を話題に。別れた後ネットで検索。うーん、ダミアン・ハーストの 亜流とまでは言わないが、触発されたものだな。外国人に受けそうなものだ。現代への批判、 といった面で売っている。一瞥で充分。

 昼前から我が家の前は歩行者天国。子どもたちの賑やかな歓声。これを閑静を妨げられる、 と怒る人たちが他の地域にはいる。

 ネットの見聞。

《 いすみ鉄道 社長ブログ  人を見たら○○と思え その3 》
 http://isumi.rail.shop-pro.jp/?eid=1075002

 ネットの拾いもの。

《 シャーロット・エリザベス・ダイアナって鰻重2段重ねの上にエビ天が乗ってるような名前だな。  》

《 王女の名は Charlotte Elizabeth Diana…おお、入れるべきものはすべて入っています。 すぐ思ったのはもちろん、三菱東京UFJ銀行です。 》