『 掟の門 』

 知人が勧めたカフカの短篇「掟の門」(『カフカ短篇集』岩波文庫2003年38刷)を読んだ。 カフカらしい不可解な掌編だ。創作行為における行き違い、齟齬、そんなことを思った。 また、星新一ショートショート「鍵」を連想。ある鍵で開くドアを探す話。

 椹木野衣アウトサイダー・アート入門』幻冬舎新書がネットでよく話題に。つらつら 思うに、北一明の陶芸のデスマスクアウトサイダー・アートではないかな。オークション には殆ど出ない。以前、二作品がネット・オークションに出たが。昨日の見聞、法政大学から 飯田市へ贈呈された「北一明氏の陶芸作品11点」の内容が気になる。いつか飯田市を訪問 したい。

 昼前、源兵衛川上流部のヒメツルソンバを抜く。芽や短いものなので力いらず。一時間 弱で終了。日差しが強いので無理はしない。中流下流部でもチョロチョロ見られる。そんな 観察をして帰る途中、K美術館へ何度か来訪された骨董好きなオバサマから声をかけられる。 「開運!なんでも鑑定団」で水木しげるの紙芝居の原画を一千万円で求める、ということを 話題に。お宅にはないかなあ、と。それから何が人気出るかしら? まあ、油絵は下がる でしょう、と答える。誰もが捨ててしまうが、記憶に鮮やかなモノ、その時は価値が無いと 思われるモノほど人気に。紙芝居の絵のように。逆に言えば、今価値のある、値段の高い モノは、これからは下がるだけだろう。

《 現在、優れた芸術として高く評価されている「作品」といえども、しょせんは現行社会の 価値観の反映でしかない。 》 椹木野衣アウトサイダー・アート入門』50頁

 ネットの拾いもの。

《 大学生の漫画好き男子に「大友克洋の何が凄いのか全然わからない、『AKIRA』も『童夢』も 他の漫画によくあるシーンばかりじゃないですか」と言われて立ちくらみがした。本当に世界を 変えてしまった才能は、その後の世代からは空気のように透明な存在になってしまうのだ。 》

《 南陀楼綾繁さんの新刊『ほんほん 本の旅あるき』(産業編集センター)に、 (鹿児島県)志布志市志布志志布志志布志市立図書館というのが出てきた。 》