「 LPレコード 一九七○年 」

 書肆盛林堂から新刊二冊、『戦前『科学画報』小説傑作選 2』噴飯文庫、『戦前『科学画報』 小説傑作選 3』噴飯文庫が届く。三冊揃った。一冊千円。

 友だちは浅川マキ、藤圭子山崎ハコの歌が嫌い。暗いから、と。私とは真逆。

《 「星の流れに」「カスバの女」「柳ヶ瀬ブルース」などの楽曲はすべて藤圭子バージョンです。 藤圭子を歌うときは藤圭子のCDが聴きたい時で、憶えてるメロディーと歌詞を暗唱してますが、 これで正しいのかは定かではありません。 》 風間サチコ
 http://kazamasachiko.com/?p=3393

 藤圭子のLPレコードを取り出す。『新宿の女』一九七○年には「星の流れに」「カスバの女」 「柳ヶ瀬ブルース」他。収録の十二曲のうち彼女の持ち歌は「新宿の女」「命ぎりぎり」だけ。 「夢は夜ひらく」は彼女用の歌詞だが。『藤圭子 演歌を歌う』は一九七○年十月二三日 渋谷公会堂の実況録音、二枚組。どちらもよく聴いた。藤圭子はアルバム『新宿の女』で 充分だと思う。

 LPレコード『浅川マキの世界』一九七○年の歌詞カードに掲載された彼女のことば。

《 もしかして 四角いレコードがあったら
  私のレコードは 四角にしたい      》

 LPレコード山下洋輔MINA'S SECOND THEME(ミナのセカンドテーマ)』一九七○年、 山下洋輔「演奏のあとがき」から。

《 今、これを書いているのは11月中頃だが、このひと月間でも色々な「新しい」発見が 3人3様にある。とはいえ、このレコードが発売される'70年の1月中頃以降に、実際に 我々がどんな演奏をしているかは、僕自身にもよく判らなない。(中略)そして、この レコードによってもしあなたが我々の演奏に興味をもたれたのなら、その3カ月間の変化を あなた自身でどうか確かめに聴きに来てください、というのがこれを書いている僕のおねがい である。 》

 この山下洋輔中村誠一、森山威男の生演奏は国立音大ほかで何度か視聴。ビビビッビ、 刺激されまくりだった。国立音大の時には司会の平岡正明が今回はすごい変化を感じた、と いったことを興奮を抑えて話していたことが記憶に残る。演奏? 覚えちゃいねえ。なにせ 四十五年前だ。なぜこんなことを話題にしたかと振り返れば、若い人があまりに大人しくて、 じれったく感じているせいか。冷笑が蔓延しているのか。ここで気づいたのが、毎日新聞3日、 読書欄の内田樹・編『日本の反知性主義晶文社への沼野充義の評。

《 巻頭論文にあたる内田氏の文章によれば、反知性主義者たちは「気後れ」というものを知らず、 大胆に嘘をついてでも今の時点ででの勝利を目指す。確かに、「原発はコントロールされている」 という主張とか、藪から棒に出て来た「八紘一宇」などというスローガンも、「気後れ」を 知らない言葉である。内田氏はその意味で、彼らの視野は「狭く」、また「無時間的」だと言う。  》

《 そして、こういった潮流を推進していく人たちに共通して見られるのが、自分にとって 不都合なもの、認めたくないものを平然と(粛々と?)「否認」する傾向だという。これは、 政治や制度の次元にはとどまらず、大げさにいえば、人間性の根幹が崩れつつある現代文明 そのものの問題ではないだろうか。 》

 別紙面、山崎正和『「厭書家」の本棚』潮出版社への張競の評。

《 その見取り図を示すために、「知」「文学」と「社会」という三つの視座が用意されている。 共通しているのは人類文明に対する巨視的な関心であり、よりよい未来のために、知的過去から 何を学ぶべきかという探究心である。 》

《 豊かな学識と確かな知見に裏打ちされた書物批評を通して、私たちが生きている社会および 現代人のあり方がより明晰に見えてきた。 》

 買いたくなるではないか。

 ネットの見聞。

 ヤフオクに出品されている味戸ケイコさんの絵を使った本の原画が今、この部屋に。 原画は葉書大の大きさ。元々『失われた絵本』千趣会1975年で使われた。
 http://page9.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/k172267175

《 また、江川さんに限らず幕府の開明派というのは、立憲君主制の明治政府よりずっと新しい 「民主制」を志向していた。日本は、明治政府によって「進歩」したのではない、むしろ「退化」 したんですね。 》 ネットゲリラ
 http://my.shadowcity.jp/2015/05/post-7022.html#more

《 結局、日本では国会議員にも国民にも、TPPの内容がよく分からないまま、 交渉が進むんだね。 》 東京新聞
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015050902000132.html

《 “真実”の報道は、時に国家や権力までをも追い込んでいく。それは国民との信頼の上でだ。 だからこそ報道者の“捏造”は重罪なのだ。そして“捏造”を隠す“隠蔽”は、 もはや万死に値する。 》 清水 潔
   https://twitter.com/NOSUKE0607

 ねっとの拾いもの。

《 おれが今住んでる家なら、土地が6センもチ隆起したら確実にひっくり返ってるよね。 》

《 我らが総理は「阿蘇山桜島の地下のマグマはコントロールされています」とは 言わないのだろうか?  是非、地域住民を安心させて、風評被害を排除し、観光客を阿蘇桜島に 誘導して欲しい。福島の風評被害払拭に「全力で」取り組んでいる我らが総理なら出来る筈だ。 》

《 「人類究極の夢は楽隠居」と呟いたとたんに、RTが増えるあたり、この世は憂き世 》