『 セザンヌの塗り残し 』余滴

 昨日午後は友だちの車に同乗、隣町の函南町の白砂勝敏展へ。その後近くの酪農王国オラッチェで ソフトクリームを賞味。ここのが一番好み、で二人が一致。100円の餌を買い、羊、山羊にくれる。 わらわらやって来て頭を突き出す。すぐに終わってしまう。餌しか眼に入らぬよう。まあ、そうだな。 暑いけど山林からの気持ちのよい風。

《 考えていて、私は、ふと、風景の一回性ということを思った。こんなことばがあるかどうかは 解らない。おかしければ一期一会と言いかえてもいい。一期一会もおかしいが、人と人との間 だけでなく、人間と風景の間にも一期一会はあるのだ。 》 『 セザンヌの塗り残し 』225頁

《 ただひとつ、これだけは言っておきたいのだが、こういう、何のためにこんなことをしたのか わからないようなことこそ、本当の仕事というものではないだろうかと、この本を読んでいて 私は思った。絵でもそうだが、こういう仕事は恐ろしい。 》 同書255頁

 上記は永井荷風断腸亭日乗』について。

《 そして、その瞬間、高橋由一は別として、青木繁も、黒田清輝も、藤島武二も、私には 急に退屈に見えた。 》 同書259頁

 よくわかる。

《 明治洋画のエリートたち、黒田や藤島たちを尻目に見て、劉生は、西洋というのは洋行帰りの お前さんたちが得意になって見せびらかしているような、そんなものじゃないよ、と言っているのだ という気が私はする。(中略)そうなっていっそう孤立化してしまった劉生の口惜しさが、 こういうふうに絵が並ぶと、ありありと私の眼に見える。 》 同書260頁

《 言葉にならない、言葉にしようのない自分の感情を利行の絵の中に見る。 》 同書314頁

《 俳句の言葉は、一つ一つにではなく、言葉と言葉の間隙に意味がある。そして、長谷川利行の表現が これだと私は思うのだ。文字の代りに、色や線という、いわゆる造形言語によってそれをやっている。 》  同書315頁

《 いったい、私は本を読みながら、いつも何を読んでいるのだろうか。 》 同書296頁

 ご同病がいた。

 ネットの見聞。

《 日本の競争力、27位に低下 首位は3年連続で米  》 日本経済新聞
 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM27H09_X20C15A5FF2000/

 管理職教育も57位にとどまった、とは。政治も経済もトップがなあ……。

《 どんな戦争をしても殺しあいをしても、映画やアニメの中なら、まあ、いいけど、 それを現実でやりたがる人々が、政治なんかやっていると、ほんとうに困る。 》 寮美千子
 https://twitter.com/ryomichico

 懲りずにまたヤジを飛ばす。首相の品位も汚してる。