『 戦時期日本の精神史 』つづき

 鶴見俊輔『戦時期日本の精神史──1931〜1945年──』岩波書店1982年7月30日3刷を読了。名著だ。

《 日本陸軍が、日本精神と国体の絶対的優秀性についてかかえてきた自己暗示は、日本海軍の 現実感覚に基づく自己認識を負かしてしまいました。 》 154頁

《 このように、日本での権力批判の運動において新しい流儀が生まれたということは、日本文化の これまでのこれまでの特徴でありこれからもその特徴として残るであろうと考えられる鎖国性に対して その内側からこれと闘う力が現れたということです。 》 200頁

 上記は原水爆反対運動のことだが、現在の国会を取り巻く市民運動に転生している。

《 彼らは、一九六○年に戦時指導者だった岸信介が総理大臣となって米国と日本のあいだに 軍事協定を結んだときに、政党から独立した抗議集団の中核をつくります。(中略)五月一九日に 岸総理大臣とその率いる自由民主党は、多数決によってこの軍事同盟を衆議院で可決しました。 それは合法的手続きでした。野党はこの問題についてもっと議論することを強く求めましたが、 岸総理大臣は待つことができないと感じました。というわけは、彼は米国大統領アイゼンハワーが 日本を訪問する日どりに合わせて彼へのお土産としてこの軍事同盟を手渡すつもりだった からでした。 》 215頁

 現況と二重写しになるわ。

《 沖縄には、日本の中央政府による明治以来一○○年の支配を批判する声があり、また十五年戦争の 犠牲者の立場に立って、また占領を戦後に本土から切り離されてさらに押しつけられたものの立場に 立って、戦中戦後の日本の中央政府を批判する声があります。いわば現代の日本の内部の第三世界の 声です。 》 209-210頁

《 どのようにして、戦後の世界に対して無害な日本がつくりうるかという願望は、日本国民全体が 沖縄体験を受け継ごうとする努力を通して現れるでしょう。 》 211頁

 全十三回の講義で私にとって白眉と言えるのが、第八回「非スターリン化をめざして」だ。引用は しなかった。

 銅版画家の林由紀子さんがツイッターでレオン・スピリアールト(1881-1946)についての ツイートをリツート。おお、林さんもお好きか。ブリヂストン美術館で見て感動。西洋の川瀬巴水だ。 林さんはベルギーの生まれ故郷の街の美術館へいったけど、ろくになかった、と。
 https://twitter.com/PsycheYukiko

 好きな絵のひとつ『青い鉢』。
 http://homepage1.nifty.com/namakemono/art/spilliaert.html

 ネットの見聞。

 白砂勝敏さんが新作陶器太鼓を演奏。
 https://www.youtube.com/watch?v=yNvLDbLj7TI

《 段ボールで渋谷駅の地下地図を作る 》
 http://portal.nifty.com/kiji/130510160573_1.htm

 ネットの拾いもの。

《 錚々たる画家たちの作品がずらり。
  見応えがあるが、日本の洋画は100年前からまったく変わっていないなといった印象。
  進歩する余地もないか。 》

《 コネクリエイター、パクリンピック 手品はオシマイです 》