『 反アート入門 』

 椹木野衣(さわらぎ・のい) 『 反アート入門 』幻冬舎2010年初版、前半を再読。 わくわくどきどきする読書体験を久しぶりに味わう。以前は後半部が刺激的だったようだが、 今回は最初から刺戟されっぱなし。前半でこんなに付箋を貼るとは。ということは、 前は何を読みとっていたのかな。ま、関心部分が異なっていたのだろう。

《 批評は元来、作家すらもがとらまえていない作品の価値や意味、限界や問題について、 作り手とは別の立場だからこそ見えてくる可能性を、「書く」という行為のなかで容赦なく 抉(えぐ)りだしていくような営みです。 》 63頁

 大いに同意。

《 別の人間によって鋭く語られた結果、その作品の持つ意味が、当の作品を作った本人の 思いや考えからも引きはがされ、思いもつかぬ場所へと行ってしまう。それどころか、 作った本人さえも裏切ってしまう、時にはそんなことも起こるわけなのです。 》 65頁

《 彼らは、自分たちに先行する作品についての批評を、ただし文章を通じてではなく、 作品を作ることを通じて行っている批評家なのだと言っても、けっして過言ではないと思います。 》  64頁

 北一明は焼きもの作品と文章の双方を通じて先行作品を批評した。

《 実際、今回の騒動の対象となった和田義彦氏の一連の絵は、それが盗作であろうとなかろうと、 わたしなどの目から見れば、古色蒼然としたキュビズム風の油彩画にすぎません。 》 86頁

《 今回の騒動が、偏(ひとえ)に和田氏の不徳に帰せられ、選考委員や文化庁が一種の「被害者」 として難をかわし、明確な責任を取ろうとしないかぎり、やがて同じことが繰り返されないという保証は、 なにもないのです。 》 87-88頁

 繰り返された。

 午前中、三島北高校の一年生十数人を、源兵衛川へ案内。理事長と二人、歴史を話し、 水質検査などを行う。お昼に帰宅。

 ネットの見聞。

《 インカ帝国の住民は植物から作ったロープを使って山間の谷に橋を架けていた。 当時と同様の橋が今もみられる場所がある。ペルー南部の Q'eswachaka 橋はその一例で、 地元の祭りを兼ねて毎年掛け替えられている。掛け替えの動画を含む記事。 》
 http://twistedsifter.com/videos/building-the-qeswachaka-bridge-in-peru/

《 昨日ミヤネ氏が番組で天津の爆発事故について「経済優先で」「誰も責任を取らない、 無責任な国」「汚染が心配」「情報が隠されてる」とか憤ってて、それそのままあんたが 推進するこの国の原発と同んなじ構図じゃないかと一人で突っ込んだ。 》

 ネットの拾いもの。

《 増税などにより倒産する企業も増えている昨今、
  アベノミクスの三本の矢が国民に突き刺さってなければいいが… 》