『河内音頭・ゆれる』

 昨日の河内音頭の流れで、平岡正明週刊本7 河内音頭・ゆれる』朝日出版社1984年を読んだ。 これはいい。久しぶりの平岡節にシビレル。名著と言いたいが、敬意を込めて快著ではなく、 怪著としておく。

《 浅丸さんが死んじゃったんだよね。痛いなんてもんじゃない。浅丸の死が音頭の発展を 十年おくらせる、と他の流派の師匠たちも異口同音に言うほどの音頭の革命児の死で、 心血を注いだ『悪名』を歌い切ることができずに、二部まではLPを出したが、その第三部、 八尾の朝吉とシルクハットの頭分が因之島で対決するくだりの草稿をなくなる一週間前だったかな、 病院のベッドの上で、じっと耳を傾ける奥さんと弟子の前で、もちろんア・カペラ無伴奏) で歌ったテープを俺は持っている。 》 37-38頁

《 桜川唯丸という人は、中川、持田御両人はマッド唯丸と呼んでいるくらいで、自然発生的な パンクなんだ。顔面蒼白で、これは天才特有の顔色の悪さだし、歌うにつれて横山やすしが ドイツ表現派風に怒ったような顔になり、ヤマアラシみたいに髪の毛が逆だってくるんだ。 テンポはバカッ速。暴走、狂走だな。小節をつぶしてぶっ飛んでっちゃう。 》 81頁

 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』だな。桜川唯丸の映像。
 https://www.youtube.com/watch?v=lDscw-XgppM

 後半は怒涛の展開。ジャズ、フラメンコ、浪曲等が、ぶっ飛んだ分析で縦横無尽に語られる。 妙に納得してしまう、香具師の口上。第三章の目次。

《 三.ジャズの<ゆらぎ>
  桑の港−香の港航路
  ジャズ/モーツアルト
  ジャズ水滸伝読切り
  ジプシー勧進帳
  汎アジア神農思想
  金毛九尾の狐   》

 桑の港=サンフランシスコ。香の港=ホンコン。「ゆれ」。うーむ、しか言わせぬその語り。 リズム、ビートではなく、「ゆれ」。

《 優秀な歌い手はゆれの感覚をもっているんだ。 》 170頁

 神奈川県立近代美術館葉山館で催されている「若林奮 飛葉と振動」について某ブログから。

《 若林奮の「振動」という概念は、世界は揺らいでいる、振動しているという意味で、 60年代後半からのものだ。》

 ゆれ、ゆらぎ、振動、リズム、ビート、グルーヴ……。語感も意味合いもそれぞれ微妙に違うが、 多方面から考察した人々の固有の表現で、じつは同じ現象をとらえている気がする。

 ネットの見聞。

《 お疲れ様でした!そう、完全勝利です。もちろん今日のデモが戦争法案審議にどれだけの 影響力を及ぼすのかは未知数。しかしこれだけの規模のデモを無事に行うことができたこと。 そのこと自体が快挙でしょう。他人を倒すことが「勝利」ではないのです。 》 想田和弘
 https://twitter.com/KazuhiroSoda

《 原発再稼働を言う前に、まず福島の現状復帰が先。道路を封鎖しておき「帰宅困難地域」 などというおかしな日本語は見直しを。日本の幹線・JR常磐線は未だに運休中。時刻表は異様。  》 清水 潔
 https://twitter.com/NOSUKE0607

《 常磐線[いわき〜仙台]の運行情報
  【その他】 東日本大震災の影響で、本日も竜田〜原ノ町、相馬〜浜吉田駅間の運転
  を見合わせ、竜田〜原ノ町、相馬〜亘理駅間でバス代行輸送を行っています。
  08月31日14時30分更新  》

《 結局、この国は主権在民ではなく、主権在企業なんですよ。すべては企業のお金の尺度になって、 企業が栄えて、国はどんどん劣化していく。 》 池澤夏樹
 http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/163141/6

 ネットの拾いもの。

《 安倍首相が北朝鮮を非難する演説を行った。「無能で傲慢な指導者の為に経済は滞り、 国民は混乱している。国際社会と協調することもなく、身勝手な理屈で近隣国に脅威を与えている! こんなに恥ずかしい国は他にない!」 。演説を聞いていた国民は、何故彼が自己紹介をしているの か理解できなかった。 》

《 ライヒの性革命に延々と消ゴムをかける夏の終わりである 》