「活きの良い肖像」

 関係の変化を引き起こす作用が、美だと思う。と昨日書いた。美の作用は、接する人の感受・理解能力の違いで気づかずに 無視されるか、関心外か、ヘン!(グロテスク)と思われるか。また、知覚の変動を好まない(求めない)人たちもいる。 美術に何を期待し、何を求めるのか、によって、作品は毀誉褒貶の渦中にのまれる。毀誉褒貶を生き抜いた作品が、その後も 生きるのは言うまでもない。逆に、毀誉褒貶を受けない作品は、「いいね」ではなくて「どうでもいいね」だ。中にはすごいとは 全く気づかれない作品もある。味戸ケイコさんの絵が典型だ。椹木野衣の編集した『日本美術全集 第19巻 拡張する戦後美術  戦後〜1995』小学館は、美の極端な作用(反発)を、ある人たちには惹き起こすだろう。ネット検索では批評・感想がまだ、 ろくに出てこない。

《 とはいえ、今から始まるページをめくってみてもらえば即座にわかるとおり、この巻で扱っている日本美術は、 従来とは著しく趣を異にしている。 》 「まえがき」より

《 本巻が、さらなる未来へと向けて根幹から見直されるための一里塚となることができれば、はなはだ幸いである。 》 同上

 これに拙文を加えようと、気骨→鬼骨、危機→鬼気、勇気→湧気、壮大な構想→層大な高層、天変地異→転変地位、 核心を革新することを確信、高価ではあったけど、全く後悔は無い……などなど変換して遊んだ。昼前本屋から電話。 直行。本を手にする。開封。よしよし。味戸ケイコさんから恵まれた本を近所の知人に貸す。

 閑話休題。私がなんでかなあ、と常々疑問に思うことを。相対性理論アインシュタインに代表されるが、 歴史的人物の肖像はなぜ、ほとんどが晩年なのだろうか。1905年に特殊相対性理論を発表した時、彼は二十六歳。 その時の肖像こそ知りたい。日本の文学者なんか、ほとんどが晩年(老年)の肖像。代表作を制作した頃の肖像を見たい。 ヨレヨレになった晩年の肖像は、もうタクサン。科学者、芸術家、文学者の代表的発見発明、代表的著作、代表的作品は、 若い時に生まれている。その時の肖像を見たい。つまり、その人物が最も活きの良かった時。でもなあ、味戸ケイコさんの 三十代初めの写真て、ほんと無いのだ。斜め上から撮った暗くてよくわからない写真しか知らない。その写真(印刷)から 想像をたくましくして、ファンレターを送った、私。

 ネットの見聞。

《 「国民をバカにしないでください」 SEALDs奥田愛基さんが国会で要望(全文) 》
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150915-00003690-bengocom-soci

《 韓国の李承晩、ベトナムのゴ・ディン・ジエム、インドネシアスハルト、フィリピンのマルコス・・・ このリストの末尾に僕たちは「安倍晋三」の名を書き加えることができます。「アメリカの国益増大を最優先的に 配慮する人物であるという評価をその政治的基盤とした人たち」の殿堂です。 》 内田樹
 https://twitter.com/levinassien

《 紀伊國屋ホール青年劇場真珠の首飾り」観。「憲法はまだか」のジェームス三木氏によるGHQサイドからの 憲法ドラマ。老若二人のベアテ・シロタによる語りと第一生命ビル会議室に絞りこんだディスカッション。 現憲法の細かな目配りが、実は日本人の負の資質を見すえたものであることが浮かび上がる。 》 芦辺 拓

《 「真珠の首飾り」続き。ベアテ・シロタが加わった人権条項班が挙げた四十数項目が、 日本側との衝突を避けるため削られてゆく。「外国人差別の禁止」「国際基準にもとづく賃金」「母性の保護」 「嫡出非嫡出の差別禁止」「国による福祉施設建設の責任」――全て後に禍根を残した問題なのに驚き呆れる。 》
 https://twitter.com/ashibetaku

 ネットの拾いもの。

《 もし、「デスノート」じゃなくて、「デブノート」があったら何か、大変な世の中になるかもしれない。 》

《 友人に借りた日本史のノートによると、織田信長は「本能寺の恋」で明智光秀に破れ、自決したらしい。 》

《 トーキング・ヘッズに触発されてタートルヘッズというバンドを組み、バンド名が下品だとお父さんに怒られる高嶋政宏。 》

《 篠原涼子 vs 米倉涼子 vs 国仲涼子 vs 広末涼子 》