他人の本棚をのぞくのってなんて楽しいんだろう。覗き趣味に通じるのかな。ヒヨコ舎・編『作家の本棚』 アスペクト文庫2012年2刷 を読んでそんなことを思った。文庫なので、本棚の本の背文字が判読しづらい。 それでも桜庭一樹の本棚に佐々木丸美『雪の断章』の多分再刊された単行本を見つけたり、石田衣良は 高野和明『幽霊人命救助隊』を持ってるのか、と楽しい。穂村弘の本棚には大崎梢『片耳うさぎ』。 なるほど。
《 これから読んでみたい本は、買ったまま本棚に収まっている本ですね。 》 有栖川有栖
あら、私と同じじゃん。本棚はミステリばっかだな。直井明『海外ミステリ誤訳の事情』か。
《 それから、自分にはこれは書けないって思いつつ、叶うならばこういうのを書いてみたいって 今も思わせるのが、J・G・バラードですね。 》 神林長平
神林長平の本は持ってない。本棚の内藤ルネ『西洋幻想人形館』に、にこっ。
《 資料は今すぐ必要じゃないんだけど、ひょっとしてあとで使うかもしれないって買うんですよ。 》 菊地秀行
《 買った本を忘れてまた同じのを買ってしまうとか、この頃とみにひどいですね(笑) 》 菊地秀行
同病の人がいた。菊地秀行の本も持っていない。本棚にはスティーヴ・エリクソン『黒い時計の旅』。
《 国語の本で太宰治の『待つ』っていう短編があって、それがすごい面白くて、それで読み始めたりとか。 》 川上未映子
わかる。本棚の種村季弘『ナンセンス詩人の肖像』がうれしいねえ。みうらじゅんの本棚には『松本コンチータ 写真集』。山崎ナオコーラの本棚には大竹伸朗『カスバの男』。山本幸久の本棚には筒井康隆『驚愕の曠野』ほか。 西加奈子の本棚にはジョン・アーヴィング『未亡人の一年』そしてそこにも筒井康隆『虚航船団』ほか。 大江健三郎『万延元年のフットボール』も。ふむふむ。夢枕獏の本棚には岩波版『日本古典文學大系29 山家集 金槐和歌集』他ずらり。掉尾を飾る中島らもの本棚は、齋藤磯雄譯『ボオドレエル全詩集』 さらには中井英夫『幻想博物館』『人外境通信』。たまらん。ああ、楽しかった。
泡坂妻夫『砂時計』光文社文庫2000年初版、鷲津浩子の解説から。
《 けれども、残念なことに、あまりにも隙のない超一流の技は、とっつきにくいし、わかりやすくも ありません。(中略)奇術の手練技はほとんどの客に理解されないし、芸人がうけるのは芸がものをいう からではないのです。
「大勢の観客を集めるのは、虚仮威し(こけおどし)と、女の色気です」
(中略)
無欲な師匠の姿を拝見するにつけ、見るべきところを見る人が少ないと憤慨することもあるのですが、 》
何処も同じか。ところで、椹木野衣『日本美術全集 第19巻』小学館とは違った価値軸を展開する人は現れるか。
ネットの見聞。
《 「思想犯」の復活 国会前、大量逮捕 》 田中龍作
http://tanakaryusaku.jp/2015/09/00012062
ネットの拾いもの。
《 安倍のお相手は売電副大統領。「原発よろしく」「かしこまりました」 》
《 「安倍首相への不敬罪」は困るが、「安倍首相の存在は不経済」である。 》